扶桑社ミステリー<br> 闇の奥へ〈上〉

扶桑社ミステリー
闇の奥へ〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 533p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784594004545
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

SIS長官ケネス・オーブリーは二年ほど前からKGB副議長カプースティンとヨーロッパ各地で秘密裡に接触を重ねていた。カプースティンから亡命の希望がよせられ、二人はその条件や手はずを話し合っていたのだ。接触は組織を離れた個人的なもので、カプースティンはつねに独り、オーブリーのほうも工作員のハイドを随行させただけだった。ところが、話も煮詰まった冬のウィーンでの接触で、KGBの副議長は不意に亡命の意志を翻した。その直後、オーブリーはソ連のスパイとしてバビントン率いるM15に逮捕されてしまう。〈涙のしずく〉というコードネームを持つソ連のスパイである、というのが彼に着せられた容疑だった。あやういところで、逮捕をまぬがれた部下のハイドは、敵味方の両組織から命をねらわれながら、オーブリー逮捕の手懸りを求め、救出にのりだした。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

167
SIS長官が裏切り者?という事件が起こるが、それには裏があった。それ自身がKGBの仕掛けた罠ニュース。MI5とSISの統合、SIS長官の更迭の背景には黒い事情が。真相を暴くために孤立無援の頑張りを見せる主人公。人物達のモチベーションが国家のためというより自分が助かるため、または愛する人のため、なのが気になる。それにしてもアフガンの人がゴミのように殺されていく描写の壮絶な事…。ところで、ハイドだったらチャーリーマフィン(フリーマントルの小説の人物)をどう思うだろう。2022/02/14

キムチ

52
とても一気読みできるシロもんじゃない・・頭の悪さもあるが内容の迫力に気負いする読後★原題BEAR'S TEARSから感じるどす黒さは下巻で更にぞわっと。家事に埋もれて来た時間ではこの類、読む気が⤵・・目の前の日常で流される。が35余年経て読むとトーマスの筆力はスパイモノの珠玉と言われる事 激しく同意。ソ連・英国等の諜報機関の髄に於ける陰謀がずんと伝わってくるカオスの世界。絶望ともいえるクライシスの盆上で徒手空拳的闘い、脱出劇に挑むハイド。畳の上で 島国日本で「平和」の夢を貪って良いのかまで感じさせられる。2022/03/23

コージ

4
初読み。大国のソ連が元気‼KGBが元気な時代の諜報小説は面白い。 ジョン・ガードナーの東西冷戦時代のクルーガー三部作の二作もそうだったがKGBの仕掛ける罠、工作がえげつない‼。罠に掛けられたSISの長官オーブリーはどうなる??SIS工作員のハイドは??元CIAの教授マッシンジャーとその妻マーガレットは??マーガレットの親父さんの死の真相は?? 下巻が楽しみである。2019/02/01

東森久利斗

1
スパイ小説の王道、セオリー。謀略、共謀、裏切、犠牲、逃避、追跡、復讐、国家、政治、機密、諜報、必要な要素は全て網羅。東西冷戦下、共産圏、東側諸国との諜報戦という名の戦場のもと、諜報活動に命を懸ける諜報員、手に汗握る展開、刻々と移り変わる状況、人間関係。家族、夫としての生活、日常への綿密な描写。ページを繰るごとに闇の奥へと引き込まれていく。2023/06/13

H.Sato

1
このミス1989年版海外編第7位。 初クレイグ・トーマス。読み始め、読みにくいなと思ったがどんどん引きこまれる。 しかし、まあ、諜報活動とはあっちへいったりこっちへいったり忙しいものだと(笑)。下巻もボリュームありそうだ。 A2023/05/29

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