内容説明
1997年の租借権切れを12年後に控えた、香港。その香港に返還後の活動拠点を築こうとするKGBが動き始めた。標的はアジアでNo.2の銀行、パシフィック・アンド・カンパニーズ・バンキグコーポレーション。その乗っ取り計画が開始されたのだ。KGBは香港の中国人実業家ロバート・趙を巻き込み、銀行の相続人でもある若き英国人実業家サイモン・ヤングに海水処理工場の建設資金1億5千万ポンドの融資をもちかけた。担保は銀行の経営権を掌握できる発起人株。サイモンはソビエトの策略と知りつつも、融資契約書をとりかわした。が、彼らの動きをじっと見まもる一団があった。その名は中国中央情報局第7部、通称、麻雀軍団。鬼才トレンヘイルが放つ〈東南アジア三部作〉の第1弾。