内容説明
雪のように色が白く、血のようにほおが赤くて、カラスのように黒い、つやつやしたかみの毛の白雪姫。王さま、おきさきさまをはじめ、お城のだれからもかわいがられていました。ところが、おきさきさまがなくなり、あたらしいおきさきさまがむかえられると、白雪姫はつらくあたられるようになりました。グリム童話で有名な白雪姫、待望の絵本化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つくよみ
53
図書館本:グリム童話「白雪姫」を、著者の視点でアレンジしなおした作品。何処までも純真な白雪姫を執拗に狙う、嫉妬深い継母。そして周囲で姫を護る小人や狩人。様々なバリエーションがある白雪姫の中で、それぞれを比較検証して話としての面白さを追求した結果、こういう話に落ち着いたとの事で、一つの完成形として読める作品かと。反面、絵は話との親和性が高いながらも独特の雰囲気を放つ絵柄で、見事なオリジナリティを、この作品に与えていると思う。森で姫が殺される運命になった時、身代わりを申し出る白い狐の解釈も、あとがきで。2013/11/30
きりこ
30
【蔵書再読】山本さんはこの白雪姫の絵本を描くのに5年もかかったそうです。なぜかというと7人の小人をイメージするとディズニー映画のキャラが浮かんで困ったそうでこの強烈なイメージを払拭するために、まず思い出せない登場人物を描くこうとして選んだのが「狩人」だったそうです。この狩人の姿はピカソの絵を連想させます。狩人も小人も見事ディズニーとはかけ離れたイメージになりました。まま母も小人もそれぞれ個性的なもしくは強烈な風貌で、一番リアルに描かれている白雪姫はやけに麗しく感じられました。続く→2013/11/18
ちえ
25
山本容子さんの版画は今までの白雪姫の登場人物からのイメージとかけ離れている。小人は可愛くないし、狩人はちょっとピカソを思わせられた。上半身だけ上下に動きを描くなど「5才から」と書かれた絵本とは思えなかった。でも、その独特な、(山本さんだなぁ)と感じる版画好きです。お話については学習しない白雪姫には失笑、最後の結婚式に行ったお妃が受ける仕打ちに(うん、やっぱり昔話はこうじなきゃ)とにやりです。2018/08/31
かおりんご
18
絵本。読み友さんのコメントを読んで、借りました。ほんわかする絵と文字がいい。白雪姫自体は、おバカさんだから好きではないけれど、この絵本は気に入りました。2013/12/06
けんちゃん
15
本屋さんで。グリムの原作に忠実でストーリーとしては、安心して読める感じ。山本容子さんのイラストには相変わらず驚かされます。表情のすばらしさ、不気味にだらけた感のある小人達、えぐいお妃、その中で、白雪姫だけが、まとも(失礼!)に描かれ、美しさが際立った印象になっています。2011/12/10