内容説明
はたらきもので、しっかりもの。だれからもすかれ、だれからもたよられていたおばあちゃん。ある日、てんじんさまでころんで、けがをしてから、げんきがないのです。「おばあちゃん、だいじょうぶ?」「おばあちゃん、あかちゃんになってくみたい…。」年おいたおばあちゃんをあたたかく見まもる子どもと家ぞくたち。第8回「日本の絵本賞」絵本にっぽん新人賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
93
働き者でしっかり者の82歳のおばあちゃんは、誰からも頼られていた。だけど、転んで怪我をしてから元気がなくなった。少しずつ、でも誰の目にもみえる形で変わっていくおばあちゃん。心の時計が逆回りして赤ちゃんに戻っていくようだった。それでもにこにこ微笑んでいて、真っ白になっていく心。場所がどこかは分からないけど、都会では望みにくくなった家族の風景。もちろん悲しいけど、子どもも一緒に見守っていくのはとても大切なこと。1987年11月初版。第7回クレヨンハウス絵本大賞最優秀賞作品賞。第8回絵本にっぽん新人賞。2016/04/16
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
読み聞かせグループ交流会 他のグループのおすすめ絵本です。2019/11/11
anne@灯れ松明の火
4
隣市書庫で。読友さんご紹介で、気になった。しっかり者のおばあちゃんが怪我をして寝ついてしまう。認知症も始まって、体だけでなく、心まで変わってしまう。そして、とうとうお別れの時が……。老いと死という重いテーマだが、作者自身の体験なのかな?と思わせる温かい視線を感じる。第8回「日本の絵本賞」絵本にっぽん新人賞受賞作品だそうだ。 2014/12/17
雨巫女
4
年をとってからの骨折は、だめですね。2010/09/08
ヒラP@ehon.gohon
2
元気だったおばあちゃんが、転んでケガをしてから一気に年老いて行きました。 やることがチグハグになり、痴呆が始まり、だんだんと赤ん坊のようになっていきます。 今は元気な私の母親も、突然にそうなって行くのかも知れません。 そして誰にでも訪れるのが「死」。 残されたものは家族の死を受けとめ、また生きていかなければなりません。 とても現実味を帯びた絵本ですが、哀しみと回帰をやさしく包み込んでいると思います。 2014/12/16