内容説明
おばあちゃんちで、ぼくのおとうとがうまれた。はやくあいたいなあ。ぼくはとうちゃんと、雪のふるみちをいそいだ。とうちゃんは、ぼくのことなどかまわないで、どんどんさきにいってしまうんだから…。梅田夫妻が、日ごろいだいている子どもに対する考えを、美しく深味のある文と絵で描きあげました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サク
26
雪道は人生の道を指している。親の後ろ姿を見てまねて子供は成長する。子供にとって親は特別な存在。自分を守ってくれる最高な宝。親の人生の足跡を見ながら進もうと努力する。いじめを考える絵本『おおきなあな』が浮かぶ。雪道を歩く父を見失い、「もうどうでもいい。死んでしまえ」という心の『あな』に落ちてしまう。そんな時、父のマフラーが道しるべとしてかけられていることに気づく。悩み苦しみがあれば、親は手を差し伸べる。そうして子は大人へと成長する。親にとって子供はいつまでも子供。愛しているからこそ人生の手助けをしたいのだ。2015/04/26
くぅ
20
こりゃ〜見ているだけで寒くなる。息子も「おばあちゃんちだね!」と言ってました。(4歳9ヶ月)2022/03/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
今でこそホワイトアウトと表現されますが、遭難するほどの吹雪は昔からありました。でもどんな時でも子どもの手を離してはいけませんよ、お父さん。無事についたから良かったものの、ばあちゃんは心配して外で待ってるのに、家で魚をさばいているお父さん…そこばかり気になってしまいました。2019/12/14
遠い日
9
あんちゃんになるという強い思いに押されて、吹雪く雪道をお父さんと行く。途中からは、自力で行けるか試されているかのような過酷な雪中歩行。くじけそうな気持ちを支えたのは、行く道々にある、ばあちゃんとのやりとり。涙を否定しないばあちゃんの奥行きのあるやさしさに、吹雪の中で包まれて、立ち直る。子どもの秘めた内なる力を感じます。2019/02/07
Sara
9
【2才9ヶ月】保育園のさらの担任の先生が、私物のこの本を是非読んでみて!と貸してくれました。弟ができてあんちゃんになる男の子の心情が雪で表現されているなかなか奥深い本。これは親の方がぐっときてしまう。が、対象年齢は娘よりもうちょっと上な気もする。とはいえ、娘、圧倒的な雪の描写、特に男の子が雪に埋まってしまうところから後半がかなり好きなようで、後半だけ二回読まされました。どう感じてのこの反応なのかとっても気になる。2018/12/04