出版社内容情報
いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。この本の中ではオギーは脇役であり、オギーとの出会いによってそれぞれがどのように影響を受けて変化していったかを描いている。冒頭には、続編は書かないつもりでいた著者が『ワンダー』刊行後に米国で起こった「ジュリアンになるな」運動に違和感を持ち、本作を書くことにした経緯がつづられている。
内容説明
いじめっ子ジュリアン、幼なじみのクリストファー、同級生のシャーロット。3人の「ふつうの子」が、顔はふつうじゃない「ふつうの男の子」、オーガストと出会って―。前作『ワンダー』でえがかれなかった、3つのワンダー・ストーリー。
著者等紹介
パラシオ,R.J.[パラシオ,R.J.] [Palacio,R.J.]
アメリカの作家。長年、アートディレクター、デザイナー、編集者として、多くの本を担当してきた。デビュー作『ワンダー』は全世界で600万部の大ベストセラーとなる。ニューヨーク市に住んでいる
中井はるの[ナカイハルノ]
翻訳家。出産をきっかけに児童書の翻訳に携わるようになる。2013年、『木の葉のホームワーク』(講談社)で第60回産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🅼🆈½ ユニス™
281
いくら正しい行いをして生きて来たとしても自分と直接の利害関係が生じたり、ほんの少しでも害が及ぶと思ったら態度が急変したり、予想外の行動を取ったりする。そうなったり、そうなるかも知れない自分を思うとゾッとする。こんな悩みに対して著者R・J パラシオは明快な答えを提示してくれている。「親切な方を選ぶと大きなミスはしない」 希望に満ちたこの一冊もワンダーに負けない美しい作品だった❗️★5❗️ジュリアンのおばあさん(サラ)、最高❗️2018/07/30
たけ
217
今作は、前作の、ワンダーのスピンオフだ、この本では、オギーは脇役で、オギーの存在をキッカケに変化をとげる3人が描かれる。友との関係、信頼、思いやり、過去や未来など、人は何かしら他人の影響を受けて存在している。 まさに「我思うゆえに我あり」なのだと思うo(`ω´ )o そんな中、他人の影響を受けて自分が今いる事に、気づけるか、気づけないかでは、おー〜きく違いが出るだろう。 3人の普通の子が、オーガストと出会っておー〜きな変化をとげる物語。 2020/08/18
クサナギ 「読んでる本」=「バイブル本」
201
『ワンダー』の続編というよりスピンオフ作品。前回主人公のオギーは脇役で、彼をいじめてたジュリアン、オギーの幼なじみクリストファー、クラスメイトの優等生シャーロットの物語。ジュリアンに起きていた出来事は、オギーいじめの言い訳になっちゃいけないんだけど、胸が痛んだ。クリストファーの立場や思いは児童書でよく扱われると思う。共感できる子も多いのでは。最後のシャーロットの話は、女の子女の子してて良かった。一気に読んじゃいました。ガールズトークが楽しい(笑)おじいさんのこととか、とても映画的な展開。2017/09/12
nobby
200
『ワンダー』スピンオフでもまた涙腺崩壊。人気者ジュリアン・幼なじみクリストファー・優等生シャーロットの目線で描く3つの物語。時系列は違うものの、いじめる・守る・中立というオギーに対する各々の立場故の葛藤が身に染みる…特にヒール役を一手に背負わされたジュリアンの本音「面白くなかったから、ただ意地悪してただけ!」が何とも普通で…その気持ちを心からの反省に導いたおばあさんの「嫌い」と「怖い」の違いを説いた実体験話は反則的に切ない…真摯に“親切”が大事と一途に伝えるトゥシュマン先生あってこそのワンダーに違いない!2018/08/28
ケイ
177
何も知らずに『ワンダー』よりこちらを先に読んでしまったら…。でも、その順番もありかな。オギーについて、客観的に入っていくのもまた別なwonderをくれる気がする。ジュリアンの話に一番泣いた。ジュリアンはなんとなくいい方に向かっていくように思えるが、現実にはみんながジュリアンのようなおばあちゃんがいるわけではないから、子供たちの関係も親の関係もややこしいまま、みんなの心に傷を残すことになるのだろう。ここでのはなまるは、もう一人のジュリアンのお話。愛に包まれている。2017/12/17