内容説明
アナトール・フランスの小品集『子どもたち―街や田舎の情景』に,フランスの代表的な絵本作家ブーテ・ド・モンヴェルが美しくて明るいさし絵をつけたとてもぜいたくな絵本。多くの話にただようかすかなイロニー,いくつかのエピソードにそえられた哲学的な文句、厳格な学校制度にたいする皮肉にみちた批判など,人文主義者フランスの愛らしいユーモアのある名文は、子どもばかりか大人をも,感動させるものをもっています。淡い,澄んだ色調と簡潔な線とで描かれたモンヴェルのさし絵が、その名文のもつ雰囲気をいっそう引き立たせ、当時のフランスの子どもの情景をいきいきと伝えて、私たちをほのぼのとした気持にさせてくれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプーン
39
文豪と挿絵の名士に寄る珠玉の子供向け童話絵本。世界中のすべての小さな人たちに、天の祝福があらんことを願う。2025/05/28
きりこ
22
ブーテ・ド・モンヴェルの美しい装画・挿絵の美しさに惹かれて手に取った絵本。そしてノーベル賞受賞作家アナトール・フランスがこんな児童書を書いていたことに驚いた。フランスの子供達の日常を物語にしたものだが、フランスの庶民生活や風俗・文化などを子供の生活を通して垣間見ることができる。丁寧に描かれた挿絵の色遣いがとても美しい。2013/09/13
ペミカン
3
モンヴェルという19世紀の絵本画家によるもの。アナトールフランスの絵本があったなんて。人生をじっくり考えるようになった歳なればこそこころにしみる、ステキな絵本。2012/07/04
きゆやすか
2
「ジャンヌダルク」があまりに美しかったので、こちらも借りてみた。やはりモンヴェルの挿絵が美し~ 子どもがとても愛らしく、花もきちんと描かれている。2012/11/19