内容説明
シェイカー通りにすむ人びとは気ままな人たちばかりです。家は質素だし、庭にはがらくたがたくさんころがっています。子どもから大人まで、みんなが助け合って生活をしていました。しかし、貯水所建設のために、シェイカー通りを去ることになったのです。カルデコット賞受賞作家が、地域社会の移り変わりを、淡々と、そして印象深く描いた作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりこ
55
江國香織さんが翻訳したいと某出版社に申し出るも「地味すぎる」と一蹴されたことがあったそうですが、その後めでたく江國さんにより翻訳されました。シェイカー通りに住む人を順に紹介し、やがてその土地にダムが出来ることになり住民は立ち退くことになる、ただそれだけの話で本当に地味です。変化していく町とそこに住んでいた人々の記録のようにもとれる絵本。人々の素朴な暮らしぶりが感情描写もなく淡々と描かれているけれど、なぜかとても印象に残る作品。たくさんの動物たちや人々の表情など画風がルソーと似ているなと思いました。 2014/04/25
たまきら
30
淡々とした描写、不穏な空気。江國さんが翻訳する絵本って、どこか不気味です。日常が多数決の暴力で破壊されていることに誰かが憤るわけでもなく、何かを訴えるわけでもない。そんな子供がこの本をすすんで手に取るんだろうか…と首をかしげました。2021/06/18
小夜風
22
【図書館】シェイカー通りがどのくらいの期間存在していたのか判らないけど…何か呆気なくダムに沈んでしまったな~と…。何で最初からガラクタだらけなのか、犬ばっかりいるのか、不思議に思いながら読みました。新しく生まれ変わったキレイな町には、元の住民はいないのか…彼らは何処に行ったんだろう。2015/03/09
Kikuyo
21
図書館本。江國香織さんの翻訳で。地域社会の移り変わりを描く。淡々とお話がすすむ、何てことはないのだけど、つまらなくないのが何でだろう。2017/05/30
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
何もないところに人が集まり、発展し、また長い年月には去っていく人も多い。そんな社会を描いた事件も何もないおはなしなんですが、気ままな人々と風景がなんかいい。貯水池建設のため去っていく人も多い中、残る人たちもいて、シェイカー通りの行く末を見守っています。2021/05/01