内容説明
デビッドは、海ときいただけでびくっとするほど、海がきらいだった。ある日、少年は海べで巻き貝をみつけ、家にもってかえった。その貝のなかに海がとじこめられている。…海のおとをきいた少年は、やさしくいった「でておいで、海よ。でておいで!けっしていじめたりはしないから!」この美しい絵で描かれた絵本は、子ども特有のすばらしいファンタジーの世界へと読者をみちびいてくれるでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
97
幻想的で美しい絵本。海を怖がっていたデビットがふとしたきっかけで好きになる。彼の部屋が海に変わる場面の絵に深く引きこまれた。マグリットの絵のようなところがある。両親は幻を見たのだと言う。それでもデビットは自分が海を見たことを信じる。生きているとこのような魔法の瞬間と呼べる時がある。その時は現実と幻想が溶け合う。子供の時はそんな瞬間を多く持つことができる。このような魔法の時間を過ごすと子供は成長する。結末でそのことが示されていた。2018/06/14
mntmt
16
子どもだけにかけられる魔法かな〜。2016/03/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
2月に高校で絵本・紙芝居講座を依頼されたので、今年はほるぷ出版の絵本と紙芝居の読み比べを考えています。絵本でも遠目がききますが、紙芝居は絵全体を使っているので分かりやすいです。内容は絵本の方がいいかな? 紙芝居 https://bookmeter.com/books/1809602022/01/24
遠い日
8
貝殻を耳にあてると、海の音が聞こえる、とはよく聞くことですが、これは、加えて思いきりイメージを膨らませることができる本。今のわたしたちは既に、海の恐ろしさも知っているわけですが、それでも、海が怖いデビッドが自ら海を自身のなかにとりこんで、なじみ、受け入れ、はしゃぐまでになってゆくようすは、ほほえましいし、楽しい。こんなふうにぐっと伸びてゆくときが、子どもにはある。その時間を描いた本。2012/11/10
らんどるる
4
紙芝居では読んだことがある。男の子の顔がアップで描かれているところもあり、遠目のきく絵本。巻き貝の中にある海が部屋の中に!(7分40)2019/06/25