出版社内容情報
【コルデコット賞受賞】
家族全員が作った1年分の生産物を荷車に積んで、父さんは町の市場にでかけます。売った品物の代金で必要な品を買い、また新しい1年の生活がはじまります。自然のサイクルの中での生活が語られます。
4・5歳から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
299
文は「歩く詩人」と呼ばれたというドナルド・ホール。絵はバーバラ・クーニー。彼女はこの絵本でコルデコット賞を受けている。お話も絵も徹底してアメリカのカントリーでの1年間の生活サイクルを描く。文は淡々としているものの、どこか暖かい。絵は色合いといいフォルムといい、カントリーサイドの美しさとのどかさを表現する。なお、絵には動きがあまりなく、それぞれの瞬間を写真で切り取ったかのような構図である。物語の終わりは次の年の始まりであり、こうして平穏で幸福が続いてゆく。2024/01/31
藤月はな(灯れ松明の火)
65
再読。伯母の家で読んだことのある大好きな本。自然と共に生活し、秋に収穫したものや作ったものを市場に売りに行く。荷物を詰めていた箱や樽、市場に行く時の足となった荷車や牛、手綱なども全て売り払い、市場で家族へのささやかな物を買って帰る。自然と共にある、質素な生活にある幸せが暖色系の絵から伝わってきます。2014/10/07
とよぽん
64
ドナルド・ホールさんは自分の作品を朗読して国中を歩く詩人として知られているそうです。身近な老人から聞いた話が次々と何世代も語り継がれてきたお話です。布や道具などを自分たちで作って生活していたニューイングランドの、のどかでやさしい物語でした。絵は木版に描くという古いアメリカの手法で、味わい深い落ち着いた感じの絵です。2020/12/21
yomineko@ヴィタリにゃん
60
読み友様からのご紹介本です📙著者は自作の詩を朗読して歩いていたと言う。美しい景色、自然の昔の1年間。羊の毛、それで編んだ手袋、楓シロップなどを荷車に積んで売りに行く。得たお金で娘さんには刺繍針。息子さんにはナイフ。大変慎ましくも美しく、穏やかな暮らし。絵もとても素晴らしいです😊2024/02/28
ケロリーヌ@ベルばら同盟
57
「にぐるまひいて」は詩だね。と詩人と暮らしていた犬が言ったので、読んでみたくなりました。豊かな実りの収穫を終えた10月、とうさんは牛を荷車に繋ぎ、一年間、家族が作り育てた物を全て積み込みます。その品々の数多いこと、見事なこと!一つ一つが、自然の賜物、人の手が丹精込めて作り上げた温もりある宝物です。とうさんは、行きに10日もかかる街の市でそれらを売ります。荷車も、牛さえも。そして、そのお金で次の一年間を支える品々を買って家族が待つ農場へ帰ります。どうかこの愛おしく細やかな生活が来年も正しく報われますように。2019/01/05