感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
150
『眠れる森の美女』として名高いグリム童話。ただし、こちらの『いばら姫』が原話。子どものいない夫婦に蟹が姫の誕生を予言しているので、これは初版(第2版以降は蛙に変更された)。また、お話の基本的なモチーフとしては、ゲルマン北欧神話(ワーグナーでは『ワルキューレ』)で語られる、火の結界の中で眠るブリュンヒルデとの相通性は明らか。さて、ル・カインの絵だが、細密・繊細にして幻想性もきわめて豊かだ。中世ムードにも溢れ、構図も凝っている。仙女がドラゴンに乗って飛んでくるところなどは、まさしくル・カイン絵本の真骨頂。2013/12/24
KAZOO
147
この話はいろいろ読んだことがありましたが、詳しく読んでみると結構面白いのですね。お城全体が眠りに包まれてしまうということで、少し話を面白くしている感じです。絵が非常に良くて細密画を見ている感じがします。2017/04/17
匠
112
別名『眠れる森の美女』であるこの作品、同じ内容であっても挿絵でこうも雰囲気が変わるものなのだと、あらためて気づかされた。エロール・ル・カインの挿絵がとにかく美しい。そして幻想的だ。子どもの頃はあまり興味の持てなかった物語だったはずなのに、この絵本はものすごく好きになった。たくさんの人に読んで欲しいと思うし、世代を問わずオススメしたい絵本だ。2013/04/01
♪みどりpiyopiyo♪
56
美しい絵本でした。中は表紙より明るいかんじ。■「眠れる森の美女」のグリム兄弟の原作に、エロール・ル・カインの絵が、豊かな色彩で 時に宗教絵画の如く、時に刺繍か更紗、あるいは緞通の如く、幻想的に愛らしく魔法のお伽話を彩ります。■見開きの片面に場面の絵が、隣の面にはお話の鍵となるあれこれの小さな絵が合わさった縁飾りが額縁になって、お話を取り巻いています。その額縁の美しいこと。ウィリアム・モリスのテキスタイルの様です。■やがわ すみこ さんの訳文がまた美しく、本文のフォントや文字色も 控え目ながら端正です。2016/09/12
nico
41
乙女チックでファンタジック!素晴らしすぎて涙がちょちょ切れます…。・゚・(*ノД`*)・゚・。!!『おどる12人のおひめさま』と双璧をなす美しい作品(私の中でツートップ)。文章のフレームも物凄く綺麗で、お話とリンクしている。表紙の仙女たちの行進が本当に素敵。拡大して隅々まで見てみたい…!!(仙女たちの足元、お花の描き方も大好き)…ヤバイです!!!2014/05/23