出版社内容情報
【コルデコット賞受賞】
有名なカンタベリー物語から題材をとりました。ずるいキツネにだまされたオンドリが、森へつれこまれる寸前、知恵を働かせてうまくのがれます。14世紀の農家の雰囲気をよく伝える、美しい挿し絵が印象的です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
108
鶏のハーレムに住む雄鶏チャンティクリアと、きつねの風刺的な動物物語。14世紀に書かれた『カンタベリー物語』中の『修道女につきそう司祭の話』を原作に、バーバラ・クーニーさんが作った絵本。7羽の雌鳥にちやほやされて過ごしたチャンティクリアは、よく通る声が自慢。小心者なのにプライドが高い。「声を聴かせて」というきつねの囁きに、いい気になって応えた途端、捉えられてしまう。雌鳥たちの騒ぎで異変に気づいた飼い主たちは必死に後を追いかける。森に逃げ込まれて万事休すと思われたが……。教訓的なオチ。1975年10月初版。2016/05/11
♪みどりpiyopiyo♪
46
英国中世の農家のお話。英語民に昔から親しまれてきた14世紀の『カンタベリー物語』の一篇が原作で、この 家禽ときつねの知恵比べと大追跡というモチーフはマザーグース童謡にも登場します。■絵本にしたクーニーさんは20世紀の米国人。入念な時代考証で、14世紀の農家の暮らしや原作の雰囲気を生き生きと伝える美しい絵が印象的です。■1950年代の作品。多色刷りのはっきりした色使いと伸びやかな構図は、この時代の絵本の特徴ですね。雄鶏チャンティクリアのなんて立派なこと! 草花の縁取りもあって「ちいさなおうち」を思いました。2016/08/09
藤月はな(灯れ松明の火)
40
子供の頃によく、読んでいた絵本を再読。初めてカバー袖を読んで翻訳者の正体に腰を抜かしそうになりました。まるで宝石のように美しい雄鶏、チャンティクリアは悪賢い狐の煽てに乗せられ、あわや、絶体絶命の危機に!しかし、彼は同じ手法で危機から脱するのだった。イソップ物語のような寓話色豊かな物語です。個人的に攫われたチャンティクリアを追いかけて豚も牝牛も仔羊も揃って追いかける場面が好き。今回のバーバラ・クーニーさんの絵は結構、鮮やかですが、シンプルな色使いとタッチなのは大変、珍しいのではないでしょうか。2025/11/09
R子
23
『カンタベリー物語』の一篇を絵本化したものだそう。貧しくも慎ましく暮らす母娘の話かと思いきやメインは雄鶏チャンティクリア。きつねの騙し討ちに逢うも、知恵を使って切り抜ける。いつも思うけど、きつねが誰かを騙そうとする話って多いよね...。教訓的だけど面白かった。クーニーの絵も良い。はっきりした色彩に惹き付けられた。2016/07/04
もっちゃか
22
少ない色数なのに、驚くほど豊かで美しい絵にうっとり。クーニーさんの『ちいさな曲芸師バーナビー』をまた読み返したくなりました。2015/05/29




