出版社内容情報
沖縄県の西表島に、日本最南端のかやぶき屋根の家があります。今はだれも住んでいないけれど、その家には、とても重要な役割があります。それは、先代から受け継いできた文化を、次の世代に伝える場となっていること。このかやぶき屋根の上で、知恵や技術、ゆいまーるの精神が受け継がれているのです。南の島の小さな集落で、たいせつに守られ、有形文化財に指定されている古民家をていねいに取材した写真絵本。
内容説明
沖縄県・西表島の小さな集落に、たいせつに守られ、有形文化財にも指定されている日本最南端のかやぶき屋根の家があります。いまはだれも住んでいないけれど、その家には、とても重要な役割があります。それは―。
著者等紹介
横塚眞己人[ヨコツカマコト]
写真家。1957年横浜市生まれ。雑誌編集者を経て、現在はフリーランスの写真家として多方面で活躍中。日本写真家協会会員。ボルネオ保全トラストジャパン会員。著書に、日本絵本賞を受賞した『ゆらゆらチンアナゴ』(ほるぷ出版、江口絵理・文)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たまきら
45
一番南は、西表島にある素敵なお家の屋根をふき替えるドキュメントです。その島の植物を活かした材料選びに感心。大変面白かったです。無人とはいえ、この家はとても大切な場所なんだろうなあ…と写真を眺めながら、島の風のことを思いました。2022/12/27
みよちゃん
14
西表島のかやぶきの家づくりが丁寧に記録されている。写真や説明によって、世界遺産やマングローブや生活の仕方が日本でありながら、異国情緒たっぷりの本だった。2022/12/22
遠い日
8
沖縄県西表島にある日本最南端のかやぶき屋根の家、新盛家。今は誰も住まないが県の有形文化財として大切の守られている。定期的に傷んだ屋根を集落の皆で葺き直すことで、かやぶき屋根の修理方法を受け継いでいく。材料を揃え、準備することころからの取材はその工程がよくわかる。人から人へ、見せてやらせて覚えさせていく。途切れてしまえば新盛家が潰える。大人も子どももみんなが自分にできることをしながら、修復期間を楽しい交流の時間にしている。「ゆいまーる」の精神がすばらしい。2022/11/21
タンタン
8
沖縄県の西表島に、日本最南端の150年前からある茅葺き屋根の家がある。今は誰も住んでいないが6〜10年な一度村中総出で屋根を葺き替える。知恵や技術、ゆいまーるの精神が受け継がれている。老いも若きも共に楽しそうに作業している風景がいい。葺き替え作業をていねいに取材した写真絵本。2022/11/23
noko
6
沖縄県西表島にある茅葺き屋根の、葺き替えのお話。日本にある最南端の茅葺の家です。昔は人が暮らしていたが、今は誰も住んでいない新盛家。約150年前の家だそうです。県の有形文化財に指定されています。10年に一度くらい屋根の葺き替えをしますが、大工さんに頼むのではなく、地元の人が行います。主に男性たちが屋根の上に登り、掛け声を掛け合って、作業を進めていきます。年長者が、村の青年にやり方を伝えていきます。かやを下から上にバトンリレーしているだけではなく、この伝統そのものを若い人にバトンリレーしていました。2024/03/12