出版社内容情報
ブリジット・ヤング[ブリジット ヤング]
著・文・その他
三辺 律子[サンベ リツコ]
翻訳
内容説明
生徒たちに送られてきた、学校の「かわいい女の子ランキング」。みんなのあこがれのソフィーが2位で、1位は地味なイヴだったことから騒動がおこる―近年話題になっている「ルッキズム」(外見至上主義)を主題としたヤングアダルト小説。
著者等紹介
ヤング,ブリジット[ヤング,ブリジット] [Young,Brigit]
米国の作家。ミシガン州で生まれ育ち、ニューヨーク市立大学シティカレッジで学ぶ。子どもたちにクリエイティブ・ライティングを教える仕事をしている
三辺律子[サンベリツコ]
英米文学翻訳家、大学講師。白百合女子大学大学院修了。海外文学ブックガイド「BOOKMARK」の編集人も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
76
児童書。YA。ルッキズム(外見至上主義)▽中学の最終学年のイヴは、詩を書くのが好きな地味女子で目立つのが嫌。ところが唐突に拡散された「かわいい女の子ランキング」で1位に選ばれた。見知らぬアドレスから「かわいいね」とか「胸が大きい」とか失礼なメールが送られてくるし注目されるしとても怖くなる。一方、これまで学校のアイドルで自他ともにNo 1を自認していたソフィーは2位で憤慨する。大人たちが勝手なことを言う中で、イヴとイヴの親友のネッサとソフィーの3人でランキングを作った犯人探しを始める▽意外な人が犯人。良本2023/04/22
fwhd8325
67
おじさんには、少し気恥ずかしタイトルです。それでも楽しく読みました。クラスメートの女子ランキングが巻き起こす学園物語ですが、なかなか意味深い描写もあって充実しています。ランキングじゃないけど、小学生の時、男子も女子も好きな人を書かされたことがあったのを思い出しました。平気で発表していましたが、今では考えられないことですね。2022/10/02
星落秋風五丈原
28
表紙絵には様々な少女達が描かれている。眼鏡をかけている子、本を読むのが好きな子、それぞれ個性があっていい。大人たちはそう言うが、同時に大人の世界が本音と建前で成り立っていることを、中学生にもなれば気づく。ある日中学校の生徒たちにいっせいにメールで学年のかわいい女の子ランキングが送られてきた。みんなの憧れで、自他ともに認める「一番かわいい子=Prettiest(原題)」ソフィーが2位で、1位は地味なイヴだった。何者かが発表したかわいい子ランキングによってクラスメイト達に波紋が起こる。2022/09/24
わむう
26
学年のスマホに一斉送信された1位から50位までの学校のかわいい子ランキング。皆の憧れで当然1位だと思っていたソフィーが2位で地味なイヴが1位。納得がいかないソフィーと周りからの扱われ方が180度変り戸惑うイヴ。2人は協力して犯人探しを始める。そしてソフィーの家庭の貧困や胸が大きいことにコンプレックスをもつイヴや、ぽっちゃりしているけど人として自信があるネッサ、ソフィーの取り巻きだった女子たちの悩みが浮き彫りになり、お互いが理解を深めていく。順位付けされた女子の視点や、見られ方と自分の認識について書いている2023/06/29
shikada
23
中学生たちのスマホに突然送られてきた「かわいい子ランキング」を主題にした小説。ランキング外や下位の子は当然傷つき、1位になった地味め女子は、望まぬ注目を集めてセクハラまがいの匿名チャットが送られるようになる。女性を容姿でジャッジする文化の害が描かれてる。作中で男連中はカジュアルに女性をジャッジするけど、仮に男側がそれをされたら相当不快だと思うんだよな(なぜ一方通行気味なんだろう?)。登場人物の造形がステレオタイプではなく多面的で、読み進めるにつれて「意外と誠実(もしくは性悪)なのか?」と判断が揺らいだ。2022/09/25