出版社内容情報
みずうみにきえた村
内容説明
わたしたちの村はみずうみになった―なにもかもすっかり、水のそこにしずんでしまった。うしなわれた故郷のすばらしい自然と、やすらぎに包まれた幼い日々を描く。
著者等紹介
ヨーレン,ジェーン[ヨーレン,ジェーン] [Yolen,Jane]
1939年ニューヨーク生まれ。編集者をつとめたのち、作家としてデビュー。絵本、児童文学、ファンタジー作品などを幅広く手がけ、ゴールデンカイト賞をはじめ多くの賞を受賞。絵本に『月夜のみみずく』(偕成社、コルデコット賞受賞)などがある
クーニー,バーバラ[クーニー,バーバラ] [Cooney,Barbara]
1917年ニューヨーク生まれ。スミス・カレッジとアート・スチューデント・リーグで学ぶ。1959年に『チャンティクリアときつね』、1980年に『にぐるまひいて』(いずれもほるぷ出版)でそれぞれコルデコット賞を受賞。1983年に『ルピナスさん』(ほるぷ出版)が全米図書賞を受賞。アメリカを代表する絵本作家の一人
掛川恭子[カケガワヤスコ]
1936年東京生まれ。津田塾大学卒業。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
64
大都会ボストンのために犠牲になった村。貯水池が必要だといわれ、湖に沈められてしまった😢悲しい。もう二度と「ここが私のふるさとだよ」と見に来る事も出来ない。必要なのは分かるけど。私も母校の小学校が取り壊されマンションになってしまったので凄く気持ちが分かります。悲しいです😢2024/12/18
booklight
24
世界どこでも同じなのね。時代もあって、言葉の端々に色々な想いが込められていて・・・。ボートに乗って湖にでるところが、また、情感がある。2023/11/12
ピンガペンギン
23
ボストンのために多くの水が必要になり、ダム建設で水の底に沈むことになった村の生活の回想。木の下で子供たちが寝袋で蛍の近くで眠れる夏。バーバラ・クーニーの絵が素晴らしい。冬は羽毛布団が3枚必要なほどに寒い家に住んでいたのが、立ち退き後は温かい部屋に住めるようになった。ダム建設が決まって、最初にお墓の移動を始めたのだが、お父さんはインディアンの墓は無視した。対価をもらえただけ、彼らはましだった。作者は自然とともにある生活を懐かしんでいるようだ。2024/05/30
Cinejazz
22
素晴らしい手つかずの自然に恵まれた谷間に、何代にもわたって住み続けた私たちの村は、人間が生きていた証しとなるものはすべて、永遠に水の底に沈んで沈んでしまった...私が大きくなってから、パパと私はボートで、埋め立てられた貯水池にに漕ぎだした。パパが船べりに指さして 「見てごらん。あそこが、お前が洗礼を受けた教会が建っていた場所だ。あれは学校。あれは粉ひき場。もう二度と見ることはないだろう」・・・失われた故郷を慈しむ作家と、コルデコット賞受賞画家が、自然と安らぎに包まれた日々を描いた、愁いに充ちた望郷の詩。2023/12/18
詩 音像(utaotozo)
22
ダム建設によって、村が消えてゆく様を子供の目で詳細に語ってゆく。そのディテールが興味深い。これだけ簡略に述べられていても、村の引っ越しにはいろいろな事が必要なのだと実感。『アナ雪2』を観たのがこれを読む後押しになったのかも。新版ながら「インディアン」という呼称を変更しなかったのは良かったと思う。自分の県内でよく通るダム湖が完全に満水になる前に、一番端の村のあとに残っていたのが表紙の絵くらいの小さな橋。今でも水不足の時には時にこの小川跡が姿を見せる。2020/02/27
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- 和書
- こんな建売住宅は買うな