出版社内容情報
太陽神ルグとアルスターの姫デヒテラとのあいだに生まれたクーフリンは、赤枝戦士団のなかでも並ぶもののない、強くたくましい勇者に成長していく。ケルト神話の英雄の、その短く美しい命の輝きを、イギリス児童文学の異才サトクリフが描きだす。
内容説明
太陽神ルグとアルスターの姫デヒテラとのあいだに生まれたクーフリンは、赤枝戦士団のなかでも並ぶもののない、強くたくましい勇者に成長していく。ケルト神話の英雄の、その短く美しい命の輝きを、イギリス児童文学の異才サトクリフが描きだす。
著者等紹介
サトクリフ,ローズマリー[サトクリフ,ローズマリー] [Sutcliff,Rosemary]
1920‐92。イギリスの児童文学者、小説家。幼いときの病がもとで歩行が不自由になる。自らの運命と向きあいながら、数多くの作品を書いた。『第九軍団のワシ』『銀の枝』『ともしびをかかげて』(59年カーネギー賞受賞)(以上、岩波書店)のローマン・ブリテン三部作で、歴史小説家としての地位を確立。数多くの長編、ラジオの脚本、イギリスの伝説の再話、自伝などがある
灰島かり[ハイジマカリ]
子どもの本の作家、翻訳家、研究者。英国のローハンプトン大学院で児童文学を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mahiro
21
面白かった、始めのページを開いてからクーフリンの短く激しい一生を一気に駆け抜けるように読んでしまったのはサトクリフが古代の伝説の英雄を目の前に生きているかのように描いてくれたからだろう。わざわざ自分を追い詰めるような禁戒や求婚に行った先での殺戮など現代人の理屈の通じない野蛮さ荒々しさも含めてケルトの世界なのだ。ケルト人がベーオウルフを産むことはあり得ずアングロサクソンがクーフリンを産むことも絶対に無いと言う作者の言葉が印象的だった。2021/01/10
Ribes triste
15
最強の戦士でありながら、どこまでも運命に翻弄されるクーフーリンの物語。サトクリフの筆致は、凄惨な戦闘シーンも死さえも、柔らかく優しく描いていく。物語に飲み込まれていくように読みおえた。まだ頭の芯がしびれたままです。2020/09/03
izw
8
アイルランドに伝わるケルト神話の英雄クーフリンの伝説をサトクリフが描く。見た目は可愛い少年だが、人並み外れた怪力と剣・槍さばきを見せる。女性からも愛され、自らも惚れやすい英雄というにふさわしいクーフリンの誕生から、壮絶な最期までが、伝説らしく華々しいエピソードをつなぐ課たちで語られている。2020/08/15
ゆう
7
額に英雄光が光り、黒い血が空に向かって噴きあがって、迫りくる黒雲のような暗闇を頭上に作っている。 そんな、紅蓮に燃える『軍神』、アイルランドの英雄の王、クーフリンの本。 神話らしく、神々が人間へ未来を暗示したり、禁忌〈ゲシュ〉なるものがあったりと面白く、神と人が混在する世界に魅了された。 吟遊詩人の立場がこんなに高いものだとは知らなかった。各地の状況を歌い歩くメディア的役割だったのかどうか、興味が湧いた。サトクリフの新装版シリーズや他のシリーズも(入手が困難になってきているけど)読んでいきたいと思う。2021/01/26
しゅう
1
修行をして技と武器を得たり、親友との戦い、結婚のストーリーは現代のゲームやアニメに大きい影響を与えてるのが分かる。 普段は美しい身なりの少年?だが戦闘になると、かなり悍ましい姿に変貌すると言われてる。 戦闘モードから戻らない時に、裸の女性が何回も水をかけるシーンが印象的。 最後は様々な罠にはめられて敗れてしまうが、クーフリンがいるだけで他の国はやる気をなくしそう。2022/08/14