出版社内容情報
亡き相方・中本が忘れられず、荒んだ毎日を送っていた元芸人で放送作家・片山の元にやってきたハウスキーパーの広川。無口な広川の不思議なマイペースさに、片山はいつしか癒されるようになるが…!?
2015年9月刊。
内容説明
人気お笑いコンビ「らんな~ず」のひとりだった片山は初恋の相手でもあった亡き相方・中本のことが忘れられず、表舞台からは去り放送作家に転身した。相方亡き後の人生はただの消化試合だと荒んだ生活を送っていたある日、片山の元にハウスキーパーの広川がやってくる。施設育ちの広川にとって「らんな~ず」は希望の光だったと語る彼の不思議なマイペースさに触れるうちに、片山の心は少しずつ癒されていく。ところがある晩、片山は中本のことで自棄を起こした末、広川と関係を持ってしまい…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nono
34
BL。初読み作家さん。お笑い芸人の片割れとハウスキーパー。テンポのいい関西弁も相まってリズム良く、そして内容も深く面白かったです。大切な相方を亡くしそこで立ち止まった片山が再び動き出す顛末は心が熱くなる。ずっと彼等を追いかけて生きてきた広川の一途だけどヘタレな人柄もめんどくさいけど、嫌いじゃない^^作者様のデビュー作ということですが次作あれば是非読みたいものです。2016/06/26
きょん
26
最近涙腺が緩いせいか、泣きすぎてコンタクトレンズが曇る程でした。個人的な好みとしては、相方から受けへの思いは厚すぎる友情で良かった気がするけれど、事情をすべて知った上での相方の妻とのやり取りの味わい深さも捨てがたいから、これでもいいのかな。日常会話でも漫才にしか聞こえない関西人のすごさも再認識。2015/09/30
瀧ながれ
24
BL(15年)。お笑い芸人から放送作家になった痛風持ちの男が主人公で、軽快でちょっと乱暴な関西弁のやり取りに笑ってたら、中盤からぼろぼろ泣かされてしまった。恋愛も大事なテーマだけど、その上に、大事な人を喪った/失った人間がどうやって歩いていくか、という再起の物語があって、正解はないし、立ち上がったって明日のことはわからないし辛い記憶は消えないし、不安は不安だけど、そのまま、手をつないでいけたらいいよね、と思いました。で、帯を外したカバーを見たら、また号泣ですよ。君らは、これでいいんだな。2015/11/01
しましまこ
23
ハウスキーパー広川×相方を亡くした元芸人で放送作家片山。相方中本の死に捉われ抜け殻状態の片山と、片山を崇拝する余り『中本のことを好きな片山が好き』と身を引こうとする広川。死人を思いつづけろ?何じゃそりゃ?と思わんでもないが終わり良ければすべて良し。とにかく関西弁のテンポ良いボケツッコミ日常会話が楽しかった。2015/10/07
きなこ
23
30過ぎ通風持ちのゲイのおっさん、再起の物語。なのになんでこんなに泣けるんや!中本の病室で、淀川の本音トークで、広川のらんな〜ずに対する熱い思いに、幽霊になった中本ととの掛け合いに、単独ライブの挨拶に…と泣いてばっかり。登場人物がもがいて足掻いて人生懸命に生きている人たちばかりで胸が熱くなった。お気に入り。2015/10/03