内容説明
その美貌と冷たさで、自他共に認める夜の街の「顔」となっている玲二。そんな弟を持った高見和也のもとにも新たな人物が現れて、危険な影が忍び寄る。「おまえはオレのメスだ、和也」そう言って挑発してくる玲二に抗いながらも逃げ切れず、追い詰められていく和也。壮絶な宿命を背負っていよいよ佳境に入る、怒濤の辛口運命ドラマ完結編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那義乱丸
18
積読崩し。私の予想に反して最後まで糖度がないままの執着が物語の中に引っ張り込まれる要因となったようで、一気に読了。玲二の理不尽な執着に翻弄されながらも、自分が自分であるために抗おうとする和也が痛々しくもあり、頼もしくもあり。エゴ丸出しの冷酷無比な執着は面白かったけれど、玲二のどこがなんのカリスマなのか理解できないことに下巻でも引っ掛かりを覚えた。その所為もあって、終盤、明人が絡んでくる件にも頭が付いていかず。消化不良な部分が残ったけれど、執着モノが好物な私としては一風変わった調理法を楽しんだって感じかな。2016/07/03
アッちゃん
12
下巻にして、ようやく文章に慣れてきたかなぁと思ったけど、弟の独占欲と執着が半端なく痛くて、兄が男前で何があっても弟を受け止めているのが凄い…が分かっただけのような気がするwピリッとも甘さはないのに、結局2人同じ家に帰っていくんだなぁ…。やっぱり切っても切れないのが兄弟ものの醍醐味かな。2021/08/26
みい。
7
再読。時代を感じるかど面白いわ。ちゃんと完結してくれたら花マルなのに。続編のCD聞いて我慢します。でも、それでも、完結してないんだよね〜。2016/09/01
みずほ
7
評価 小説★★★☆☆ 挿絵★★☆☆☆ PCも携帯も登場しないし、登場人物の考え方とかに少し時代を感じるところもあるが、”執着”は、今にも通じる古くて新しいBLのテーマなんだなと再確認。雰囲気はJUNEに近い。バッドともハッピーとも言い切れないラストに消化不良な気分。読後感は微妙。玲二という男に共感を欠片も感じないために、執着攻は好きなのに萌えなかった。玲二は私には宇宙人。明人も享も理解不能。唯一、和也だけ何とか理解の範疇かな。何か甘さが無さ過ぎるなあ。独特の文章の吉原節全開。愛憎ドロドロの吉原劇場だった2011/04/23
tanya
6
再読。もう、受け入れるしか無い和也が大人に見えます。甘く無いのに2人の関係が安定的になる過程での終了。私的にBLにハマるきっかけになったお話でした。文章が独特でワクワクしてました。現在だともう少し年齢が上なのが好きです。2021/08/17