内容説明
「どうしたの、アンタ。今にも死にそうな顔して」秋の前に現れた青年からは恋人と同じ甘い煙草の香りがした―施設で育ち苦労して内科医となった秋は、恋人を失ったのと同時に職も住処もなくし途方に暮れていた。街に佇む秋に声をかけてきた純也に誘われるままに入ったバーで飲み慣れないカクテルを飲んだ秋は、懐かしい甘い煙草の香りに誘われるように純也と唇を重ね、悲しくつらい現実から逃れるように、そのまま身体も重ねてしまう。「どうせ部屋も余ってる」という純也と、帰る場所のない秋は同居生活を始めるが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
39
施設で育ち医者になるには相当な努力を要しただろう「秋」 医者の息子であることに反発して医学部を休学してゲイバーでウェイターをしている純也。同性を求めるというより人のぬくもりを求める淋しい二人・・。四ノ宮慶さんの本は淋しさを埋めたい人にはいいかも。ただ女性にこの淋しさを埋めてもらうには相当姉さんでないと無理かもと密かに思う。男はいつも逞しく有る者だというのがそもそもの間違いだから(^^;2020/03/21
みんと
4
二人の職業が医者でなければ良かったのに。秋のような医者はたぶんいない。純也のように休学したらたぶん続かない。医者という職業はBLという夢が入り込む余地が案外少ないとあらためて思う作品でした。秋と純也がファンタジーなのか、、、2014/01/02
cicoppe
4
純也あまりに子供で笑える。秋はこんな性格でよく医師になれたなぁと思った。医大に入れる子って小学生の時からずば抜けて成績イイはず。だから秋のように自分を卑下しすぎだと違和感を感じます。施設にいたお兄さん、何処かで再会できるのでは?と思い読んでいましたが会えなくて残念。2013/09/03
かよ
4
初読み作家さん。表紙買い。私の読み込み方が悪いのか、何故純也があんなに秋を好きだと言い出したのかさっぱり分からなかった。ええっ!?いつの間に!?ってなった。誕生日のシーンとか、ラストの辺りとか、盛り上がるところでしらけてしまった。あと、純也のバカぼんぼんっぷりもな~。設定とかは嫌いじゃなかったので勿体なかったです。2012/08/04
ユキモリ
3
シチュエーションを生かすためにキャラが動かされている感じが強く、それが肉付けの薄さにつながって物足りなかったかな。2012/08/18