白泉社招き猫文庫
うばかわ姫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 209p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784592831167
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

見目麗しい姫君の野朱。ある老婆との出会いをきっかけに老女へと変貌を遂げてしまう。自身の外見の魅力をよすがに生きてきた女が見た、その後の世界とは……。女の業と幸せを描いた、新感覚時代小説。
2015年7月刊。

内容説明

誰もが羨む美貌の少女、野朱。何不自由なく暮らしてきた彼女が、ある老婆との出会いをきっかけに、一夜にして醜い老女へと変貌してしまう。自身の外見の魅力のみをよすがに生きてきた女の目に映った、その後の世界とは。そして知った、この世で一番大切なものとは―。女の業と愛、そして本当の幸せとは何かを描いた、新感覚時代小説、ここに誕生!

著者等紹介

越水利江子[コシミズリエコ]
高知出身。『風のラヴソング』で文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、日本児童文学者協会新人賞を、『あした、出会った少年―花明かりの街で―』で日本児童文芸家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海猫

79
恵まれて育った美貌の少女・野朱が、呪いで外見が老婆に変貌したことによって始まる苦難。容姿が変わっただけで、世の中が変貌したように見えてくるあたり興味深い。が、物語はよりファンタジックに展開。この仕掛けの巧さで、より作品を広い視野で受け止めることになる。幻惑的にも感じる構成だが、人のありようとは?生きるとはどういうこと?本当の幸福とは何?といったテーマへの希求が強く、凛とした印象を受けた。所々の文章も示唆に富む。女性的な恋愛小説の要素もあってそこはロマンチック。纏まりようも良く、美しい一作。2018/07/12

papako

61
お気に入りさんの感想が気になったら、たまたま目について。もっと教訓めいたお話かと思ったら、歴史ファンタジーラブロマンス小説でした。織田信長と森蘭丸を絡めて、お姫様が生き直す。人は皮一枚で世間と関わっていて、見た目が変わると対応が変わる。それでも自分は自分、どう生きるかというお話。だけど私には、きゅんきゅん系乙女小説でした。楽しめました。2018/07/31

☆よいこ

51
YA。高校生向け。▽両親を亡くし商家の養女として育てられた野朱(のあけ)はその美貌から、箱入り娘として姫様のように大切にされていた。年頃になり、領主の側室に求められた野朱は乳母とともに東国に向かう。その途中、野盗に襲われ供のものは殺され、野朱はひとり逃げ回る。湖の岸辺で出会った不思議な老婆に助けを求めると、野朱は老婆に姿を変えられ何を逃れることができた。しかし「姥皮(うばかわ)」の呪いを受けた野朱は、老婆の姿で生きていかなければならない。満月の夜、湖の水を浴びた時だけ一晩だけ娘の姿に戻れるのだった。2020/03/16

ゆきちん

45
誰もが惹かれる美貌の姫、野朱(のあけ)が野盗に襲われて命からがら醜い老婆に助けてもらったら、気がついたら自分が醜い老婆の姿になっていた。月に一度満月の日に泉に浸ればその時だけは元の姿に戻れる。…という、美女と野獣か白鳥の湖かというファンタジー。時代は戦国。織田信長と蘭丸とかがでてくる。テーマは人の人生は皮一枚。見た目で人の対応は変わる。変わらないのが真実の愛。みたいな。おとぎ話というより、歴史ファンタジーラブロマンスという感じ。あっという間に読めてしまいます。2018/08/31

そうたそ

37
★★☆☆☆ 児童文学を主に書いてきた作家さんが、初めて手掛けた大人向けの作品だそうで。聞いたことのない作家さんだったが、あらすじにひかれて読んでみた。全体としても短いし、文字も大きい。ストーリーもとっつきやすいので、その辺りは児童文学出身を思わせるのだが、全体のテーマとしてはやはり大人向けを想定していることに納得がいくものだった。絶世の美しさを誇っていた主人公が、姥皮というものを被ったことにより醜い老婆へと成り下がってしまったことから「生」というものについて考えさせられる作品。2015/09/02

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