内容説明
大工の娘・庸は“棟梁のお嬢さん”だが自分を「おいら」と呼ぶほどの男勝り。不自由ない生活を送っていたが、ある夜、家に賊が押し入ったことで生活が一変する。庸はある決意をして、貸し物屋の若き店主の元を訪れる…。江戸のレンタル業・貸し物屋に持ち込まれる摩訶不思議な注文を解決する庸。江戸を駆ける痛快キャラクター誕生!文庫書き下ろし。
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』でデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。14年、歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。ホラー、時代小説ともに著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
151
貸し物屋お庸「江戸娘、店主となる」1巻。初読みの作家さん、貸し物屋(現代のレンタル業)の雇われ店主になったお庸さん、依頼された貸物にまつわる事件の解決とお庸さんの成長、謎めいた貸し物屋「湊屋」の経営者清五郎さんと関係、どのように展開するのか楽しく読めるシリーズです。2015/07/01
はにこ
53
大工の娘、お庸は押し込みに遭い両親を失う。仇をうつために得た情報の代わりに貸し物屋で働き出す。物を貸しながらちょっとした謎ときもする。そんな話だった。べらんめぇ調のお庸。何だかちょっと慣れないけど話はまぁまぁ面白かったので続きも読んでみようかな。2020/10/11
アルピニア
43
お庸は、大工の棟梁のお嬢さんだが、伝法な口を利くじゃじゃ馬娘。ある日一家を不幸が襲い、両親が亡くなる。そしてお庸は事情により貸し物屋「湊屋」の出店を任されることになる。好奇心旺盛なお庸が湊屋の主人「清五郎」とともに、ちょっと変わった物を借りに来るお客の謎を解いていく。少しふしぎ要素も入った短編四編。マイベストは「桜の茅屋」。シリーズになっているので続きも読んでみよう。2023/07/20
ベルるるる
38
少女漫画的だけど面白かった。文庫名が「白泉社招き猫文庫」ですって!!だからか~。 両親がいつまでも居ると思っていたお庸。いつまでも今のまま幸せだと信じていたお庸。それがある夜に全てが変わってしまう。ちょっと泣けちゃった・・・2018/09/01
のびすけ
27
シリーズ1作目。お庸は男勝りで喧嘩っ早くて口が滅法悪い。あるとき賊に両親を殺され、ひょんなことから清五郎が営む貸し物屋の出店の店主になる。両親の仇討ちから店主になるまでの第1話、雛人形を借りた客の悪巧みを探る第2話、笊を借りにきた客の人情話の第3話、お庸の実家に出る女の子のお化けの正体を暴く第4話の全4編。商売、ユーモア、人情、恋心、捕物、ファンタジーと物語の要素は盛り沢山なのだけど、その反面散漫になってる感じ。どうもこのシリーズは完結しないまま4作で終了してるようなので、これで打ち止めします。2021/05/01