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出版社内容情報
昭和20年、3月10日深夜──。東京で大規模な空襲と同じ頃、ペリリュー島で生き残った田丸たちは食糧調達に成功。“水"と“食糧"を手に入れた彼らは再び“徹底持久"という目標を掲げ、集団生活を始める。飢えと渇きから解放された日々。それは、死と隣り合わせの戦場で、ほんのひと時の平穏。しかし、わずかな“余裕"を得るまで、気づかなかった戦争の一面を田丸らは知る──。極限状況下で、他者と常に行動を共にし、生活をする困難。明日をも知れぬ戦場で、懸命に日々を生きた若者の真実の記録。
2019年1月刊
武田一義[タケダカズヨシ]
著・文・その他
平塚柾緒(太平洋戦争研究会)[ヒラツカマサオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
119
戦争の狂気、悲惨さを描いた作品。玉砕の島ペリリュー。この島で起きたことを伝え、戦争の虚しさを訴える。戦争映画もドラマもみなくなった現在において、柔らかい絵柄で戦渦を描くこの作品は貴重だろう。米軍の火炎放射機の酷さ、日本兵の金歯を「ゴールド・ラッシュ」と言い漁る米兵の野蛮さ、極限まで飢えた日本兵の人肉食、空襲の恐怖。様々な戦地で同様のことが起きた。これらは文明が発達した20世紀に現実に起きた野蛮な現実なのだ。そして21世紀になっても世界から戦火は消えない。世界から戦火をなくすことは、我々の重い課題である。2019/02/11
ゆいまある
79
5巻までペリリュー沖で再読した。辛かった。帰国してこちら。玉砕後もペリリューでは戦闘が続く。生き埋めにされたものは仲間の死体を食べて生き抜く(埋められた人結構多かったのね。むごすぎる)。とっくに食料も水も尽きているので、米軍から盗んで生きるしかない。当然米軍もそのままにはしておけないので、日本兵は大量に殺される。水さえ飲めずに死んでいった一人一人が丁寧に描かれる。2023/04/23
馨
73
次々と仲間が犠牲になり、敵から逃れ、空襲から逃れ、命がけで食糧を調達し、1日を生き延びることがこんなにも過酷な状況はまさに生き地獄だと思います。主役だからか田丸の運の良さは異常すぎるような気もしました。戦死した仲間の犠牲の上に生きていることもとても伝わります。2019/02/12
かっぱ
44
アメリカ軍の日本兵生き残り掃討作戦が開始される。米兵による火炎放射器の使用、遺体の口を裂いて金歯を取り出すなど残酷な描写が目立つ。ただ殺されるのを待っているだけとしか思えないような状況になってきた。東京大空襲の翌日~翌々日まで茨城県で焼けた紙や煤が空から降って来たそう。2019/02/03
こも 旧柏バカ一代
43
地獄だよ。アメリカでもない、日本でもない土地で現地の人を追い出して殺し合い。いや、この巻だと掃討戦になってるな。人命を優先するアメリカと、人命より作戦を優先する日本の差がはっきりと出てる。2019/01/29