出版社内容情報
高校2年生の道田奈央は、両親に連れられて行ったバスツアー中、
休憩のため立ち寄ったパーキングエリアで、ねぎまきを頬張る少年に出逢う。
そのどこか哀しげな眼差しに惹かれたが、名前をきくことすらできずに別れてしまった。
数日後、地元の図書館で少年と偶然再会を果たす。少年は磐田陸と名乗った。
奈央と陸は会う機会を重ね、順調に距離を縮めていく。
しかしある日、幼なじみで親友の千恵里に彼の写真を見せると、
驚くべき事実を告げられる――。
瑞々しい恋愛小説から一転、3人を結び付けていたものが明かされる時、
きっとあなたも自分の過去を振り返る。
「どれだけ反省したって、過去は一生とれない」
罪と傷に向き合う高校生たちの、過ちの先を描く青春小説。
■著者プロフィール
川上佐都(かわかみ・さと)
1993年生まれ。神奈川県鎌倉市出身。『街に躍ねる』で第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞しデビュー。その他の著書に『今日のかたすみ』がある。
【目次】
内容説明
高校2年生の道田奈央は、バスツアー中に立ち寄ったパーキングエリアで、ねぎまきを頬張る少年に出逢う。彼のどこか哀しげな眼差しに惹かれるも、名前をきくことすらできずに別れてしまった。その数日後、学校帰りの図書館で偶然再会を果たす。少年は磐田陸と名乗った。奈央は陸と会う機会を重ね、順調に距離を縮めていく。しかしある日、幼なじみで親友の千恵里に彼の写真を見せると、驚くべきことを告げられ―。「どれだけ反省したって、過去は一生とれない」圧倒的な痛みと共感の青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えんちゃん
57
おそらく対象は少年少女のYAものだろうけれど、大人にもとってもよかった。バスツアーで知り合った男子高生に恋する女子高生。好きになる心の膨らみと、過去の後悔で萎んでゆく気持ちを、瑞々しい文章で綴った青春小説。園芸部の先生をはじめ、近くにいる大人の存在が落ち着いていてとてもすてきだった。友だちや恋人や家族、気まずくなっても好きならとことん話し合うことが大切。勇気を持って本音を語れた三人の若者にエールを送りたい。2025/08/19
よっち
24
両親に連れられて行ったバスツアー。休憩のため立ち寄ったPAでねぎまきを頬張る少年に出会った高校2年生の道田奈央が、図書館で偶然再会を果たす青春小説。どこか惹かれるものがありながら、名前を聞くことすらできなかった奈央が、再会を機に磐田陸と名乗った少年と会う機会を重ねて順調に距離を縮めていく中で、幼馴染で親友の千恵里から告げられる驚くべき事実。明らかになっていく背景と、どうすべきが選択が難しい状況でしたが、それでもかけがえのない出会いだったことは間違いなくて、向き合い乗り越えたその結末はなかなか良かったです。2025/08/07
信兵衛
19
一言で言ってしまえば、よくある青春恋愛小説のひとつに過ぎないかもしれません。 でも、奈央、そして睦生が、真剣に相手と向き合おうとする、そんな処が愛おしくてたまらず、好きだなぁ。 2025/08/14
だのん
18
高校生の人間関係の繊細な心の動きから目が離せずどんどん読みました。その中で子どもたちへのまわりの大人の対応が気になり、自分はどうだろうかと心配になってしまいました。園芸部の先生のように話を聞いてあげられる人になりたいです。2025/09/26
雪丸 風人
12
こんなに瑞々しく、細やかに恋する乙女の内面を描ける人がいるのか!と驚きながら読み進めていったら、さらなる驚愕が待っていました。主人公は幼馴染の一軍女子に金魚のナニカのようにくっついてきた高校生。みずからの意志を端に寄せる生き方に縋った彼女が、その報いから、まさかの事態のど真ん中に立つことになります。消えない罪の重さに身震いしましたね。後悔に押し潰されないためにどうあるべきか?先生や例の母親の言葉が何かの助けになりそう。自分も、人も、大切にする生き方のヒントが詰まった逸品です。(対象年齢は13歳以上かな?)2025/08/08
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