出版社内容情報
ばあちゃんは、ぼくが中学生になったころから、ぼくを「にいちゃん」とよぶようになった。ばあちゃんの兄さんも、とうさんも、かあさんも、原爆症で死んだ。ぼくらは、ぜったい戦争をしない。子どもを殺したりしない。かなしい思い出をつくらない。やくそくする――。
原爆で肉親を失った祖母の過去と歴史に思いを寄せ、平和を強く誓う少年の姿を、率直な語り口で描いた絵本。
生涯をかけて戦争の悲惨さと愚かさを訴え続けた作家、那須正幹が遺した一編の詩(原題:「ばあちゃんの詩」)から、この絵本が生まれました。戦後80年を迎える今、あらためて平和の意義を子どもたちに問いかけます。
内容説明
「にいちゃん、おかえり」ばあちゃんはぼくのことを原爆で死んだ“にいちゃん”とまちがえる。死んだ人にまちがわれるなんて、いやだけど…。3歳のときに広島で被爆し、生涯をかけて平和を訴え続けた児童文学作家・那須正幹が遺した物語。
著者等紹介
那須正幹[ナスマサモト]
1942年、広島生まれ。児童文学作家。島根農科大学林学科卒業。『首なし地ぞうの宝』(学習研究社)でデビュー。主な作品に『ぼくらの地図旅行』(絵本にっぽん賞)、『絵で読む広島の原爆』(産経児童出版文化賞・ともに福音館書店)、『お江戸の百太郎 乙松、宙に舞う』(日本児童文学者協会賞・岩崎書店)、『さぎ師たちの空』(路傍の石文学賞)、『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』(野間児童文芸賞)、「ズッコケ三人組」シリーズ(日本児童文学者協会賞特別賞)、「ヒロシマ」三部作(日本児童文学者協会賞・いずれもポプラ社)がある。第23回巌谷小波文芸賞受賞。2021年7月永眠
武田美穂[タケダミホ]
1959年、東京都生まれ。『あしたえんそく』(クレヨンハウス絵本大賞最優秀作品・偕成社)で絵本作家デビュー。1991年、『となりのせきのますだくん』で絵本にっぽん賞・講談社出版文化賞絵本賞を受賞。1992年、絵本『ねんどの神さま』で那須正幹氏とコンビを組む。他の絵本に『すみっこのおばけ』(日本絵本賞読者賞)など数多くの作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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