出版社内容情報
現役の塾講師が描く、「東大卒」家庭教師と中学受験に挑む、個性も学力もさまざまな4つの家庭の葛藤と奮闘の感動物語。学力が伸びる条件、成績が上がる必勝勉強法、家庭の心構えなど、中学受験を考えている親世代が知りたかったことが、小説を読みながら学ぶことができる教育エンタメ小説!
内容説明
篠宮結衣は、中学受験に特化した家庭教師の会社『ノーツ』に勤めている。幼い頃から勉強が得意で、東大を卒業して大手商社に就職したものの、ハードワークで体調を崩し一年で退職。そのことが大きな心の傷になっていた。そんな結衣に手を差しのべたのが、『ノーツ』代表の七緒だった。少しずつ家庭教師に魅力を感じ始めた結衣は、初めて六年生を担当することに。志望校も志望動機も家庭環境もそれぞれ異なる四人の子どもたちと向き合う結衣。結衣と四家族の受験が始まった。
著者等紹介
騎月孝弘[キズキタカヒロ]
『きみと見つめる、はじまりの景色』でエブリスタ小説大賞/スターツ出版文庫大賞部門賞、『太陽と月の図書室』で第11回天竜文学賞受賞。学習塾で講師として勤務している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
17
主人公は25歳の家庭教師。東大卒業後に大きな壁にぶつかった彼女が、新天地で自分の生きがいを見つけ、教え子やその家族とともに、がむしゃらに歩んでいきます。初めて6年生を受け持った主人公の1年間を追体験することで、中学受験のイロハが学べる画期的な一冊。小説形式だからこそ伝わりやすいこと、確かにありますね。印象的だったのは、教え子のために勇気を振り絞る場面。回想シーンでの母からの励ましもよかったな~。とにかく金言が満載。中学受験を描いたなかで、これほど学びのある作品は稀でしょう。(対象年齢は13歳以上かな?)2023/10/05
丸々ころりん
16
東大卒業後,商社に勤めた篠宮結衣。ハードワークそして「東大卒のくせに…」という悪評で体調を崩し1年で退社。再就職先は中学受験専門の家庭教師。 志望動機,家庭環境の違いながらも結衣を中心に繋がり合格を目指す4人の生徒たち。 只々,勉強すればいいだけではない受験,親の過保護•過度の期待,不合格の不安 一人一人に寄り添い合格を勝ち取る迄の物語。2023/12/09
本屋びと
13
ちょうど新刊発売の『二月の勝者』が好きだから読んでみたけど、この本もハマった!学生時代に結衣先生みたいな先生に教わってたら、勉強めちゃめちゃ楽しくできただろうなー。当時言われたかった言葉がいっぱい出てきた。塾の先生が書いてるだけあって、描写が具体的。受験ものに珍しく、すごくすがすがしい気持ちになれた。2023/10/12
anxiety
9
出先で平台に置かれていたのを手に取りました。四つの家族を取り上げた中学受験小説。「二月の勝者」が好きな人は当然読めます。帯に藤岡陽子さんが推薦文を入れていたけれど、確かに文章や表現の柔らかさなんか似ている気がします。よく考えれば、同じく中学受験が題材の「金の角持つ子どもたち」って藤岡さんの作品ですね。受験生や家庭のパターン別対応みたいな構造になっているのと、実際の勉強法まで出てくるので、ノウハウ本みたいで鼻につくという人は恐らくいるでしょうが、塾講師であったという作家さんの親切心と私は受け取りました。2023/10/11
たまりんどすい
4
篠宮結衣は中学受験の家庭教師だ。桐山カケル、羽住ひなた、澤村怜、及川美咲の4人の小学6年生を担当している。子供達が気付きを通して成長していく様は感動的だ。どの子もそしてどの家庭にも悩みがあり、結衣先生は子供に寄り添って改善していく。面白かった。巻末には本文中にも登場した勉強法をまとめた結衣先生の勉強法メモが付いている。2023/10/30




