出版社内容情報
<内容紹介>
二階建てのレトロな洋館に、ステンドグラスの嵌め込まれた観音開きの扉。ドアの両側には二つずつ背の高い格子窓。そこから見える満月のような照明と、おいしそうな香りが漂ってきたら間違いなし。そこが「うしろむき夕食店」だ。
“うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の志満さんと、不幸体質の希乃香さんが元気に迎えてくれる。
お店の名物は「料理おみくじ」。
今宵の食事も人生も。いろいろ迷ってしまうお客さんに、意外な出会いを与えてくれると評判だが――。
プロフィール
冬森灯(ふゆもり・とも)
第1回おいしい文学賞にて最終候補。『縁結びカツサンド』にてデビュー。著作に『うしろむき夕食店』『すきだらけのビストロ』
内容説明
不思議な動物とおいしそうな香りに誘われてレトロな洋館を見つけたら、そこが「うしろむき夕食店」だ。“うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の志満さんと、不幸体質の希乃香さんが、名物の「料理おみくじ」片手に迎えてくれる。今宵の食事も人生も、いろいろ迷って落ち込むこともある。そんなあなたの心を優しくほどいてくれる物語。
著者等紹介
冬森灯[フユモリトモ]
第1回おいしい文学賞にて最終候補。『縁結びカツサンド』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
237
登場人物同じで主人公が変わっていく短編集。1話完結型漫画みたいな。人と人との関わり、心のすれ違い、考え方の違いなどの表現が良い。そして、そうであってもお互い反発するのではなく認めあっていけたら楽しくなるね、って感じで、それを料理が繋げてくれる、というのもまた素敵で、ただ味の描写がちょっと美しすぎてよそよそしいところはあるけど全体良い話でした。「ひととひとは違うから苦しむこともある。だけど、違うからこそ、気持ちが重なるときのよろこびは大きいのだと思える。お腹の底のあたりに、じんわりと、ぬくもりが広がった。」2023/08/17
佐島楓
71
「うしろむき」というネーミングから、お店のひとがネガティブなのかなと思って読んでみたら、まったく違ってこちらが元気づけられるお話だった。なにか悩みを抱えているときに、ふらりと立ち寄って飲食することで解決とまで言わないまでも痛みが和らげられるような、そんなお店があったらいいと思う。うちの近所にも隠れ家的な美味しいお店が一軒あったのだけれど、コロナ禍の少し前につぶれてしまった。あのシェフたち、元気にしているだろうか。2023/05/20
昼寝ねこ
69
ちょっと変わった名前の夕食店にはちょっと変わった風習がある おみくじでメニューを選ぶのだ 仕事や人生にちょっと疲れちゃった人たちが、そのメニューをキッカケにしてまた前向きに歩み出す 5篇の独立した短編集だが登場人物が少しづつ重なっている 私も思い悩むことがあったら、こんなお店で志満さんと希乃香ちゃんにそっと背中を押してもらいたい😌企業の情報WEBページに連載された作品なのでイイ話に着地しなければならないのは理解できる 冬の夜に暖かな部屋でクラフトビールを飲みながら読みたい物語だ🍺2023/12/02
桜
44
タイトルと、可愛いエビフライに誘われて(*´ω`*) 「うしろむき」は「昔は良かった」じゃなく「今がツラくても、昔(の頑張り)が今を助けてくれている。」って気付かせてくれる事。その時不運と感じても、実は今の幸せに繋がってる。 短編5篇は、今を悩む主人公に美味しくて優しい料理と背中を押す一言をくれます。 お料理はどれも美味しそう(*´ω`*)「料理みくじ」私もやってみたいなぁ。 志満さんの気風の良さと、希乃香さんのひたむきさが好き。2023/10/30
坂城 弥生
39
タイトルはうしろむきだけど前向きになれるお話でした。2024/04/04
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