出版社内容情報
栗栖 ひよ子[クリスヒヨコ]
著・文・その他
内容説明
神社の奥に忽然と現れる「夕闇通り商店街」。現世と幽世の狭間に存在し、あやかし達がひっそりと店を営むその商店街には、悩みごとを抱えて存在が不安定になった人間が時折引き寄せられる。唯一人間を歓迎している「コハク妖菓子店」では、店主の孤月が不思議な力の込められたお菓子を売っており、買い求めたお客たちの状況を少しずつ変えていくのだが…。読めば心が満たされる、ちょっぴりほろ苦くてとびきり甘い連作短編集。
著者等紹介
栗栖ひよ子[クリスヒヨコ]
2018年『菓子先輩のおいしいレシピ』で小説家になろう×スターツ出版文庫大賞の特別賞を受賞し、書籍化デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
111
「現世と幽世の狭間、夕闇通り商店街。ここに来るのは霊か生き霊、もしくはあなたのように存在が不安定になった人間だけです 」こういう世界観大好き。食べると小さないいことが起きる「よくばりこんぺいとう」、自分を消すことができる「とうめい和三盆」…。 美味しいお菓子を食べることで、一歩前に踏み出す。気持ちの持ち方、大事だな。不思議で美味しい読書時間でした。2022/12/18
machi☺︎︎゛
91
悩みを抱えている人だけたどり着ける「コハク妖菓子店」。現世と幽世の狭間に存在するこのお店は扱う商品も不思議なものばかり。だから食べる時も用法用量を守らないと大変なことに、、。そして店主の孤月が商品と引き換えに集めている人間の感情のサンプルには孤月の悲しい過去が関係していた。多分児童書なのかな。だけど十分に楽しめた。私も今ならたどり着けるかも。2024/02/12
みかん🍊
83
神社の奥に突然現れる夕闇通り商店街、そこは悩みを持つ人だけが辿りつく場所である、商店街の奥にあるコハク妖菓子店には金髪で金色の目を持つイケメン店主狐月が出迎える、ここは現世と幽世の狭間、妖しいけど5人の悩みを持つ人間が訪れお菓子を食べる事により解決していくが妖力だけでなく本人の気持ちが変る事が大切『たしかめたい林檎飴』はちょっともやっとしたが、『かくせない栗最中』と最後の妖菓子店を始めたきっかけの『さよならの豆大福』が良かった。2023/05/24
えみ
50
願望、欲望、変わりたい、変えたい。そんな感情ならいくらでもある。だからシンプルながらも自問自答し自らの力で歩み出したその姿に胸が熱くなる。悩み多き人々が誘い込まれた常世との境目、夕闇通り商店街。その通りにあるイケメン店主が開く「コハク妖菓子店」で購入した妖しい菓子は誰かの希望を叶えるお菓子。希望を叶える…には様々なカタチがあることを気付かせてもらった。「自分にとって都合よく変わってくれる事」を望んでいた彼らが「自分を変える事」に本当の変化があるのだということに気付くまで。そして店主の目的。知るほど愛しい。2024/06/07
mayu
42
悩みを抱えた人の前にだけ現れる神社の奥に広がるレトロ感漂う商店街。不思議な雰囲気を感じながら進むと突き当りに見えてくる、桃色のぼんぼりが飾られたお店「コハク妖菓子店」イケメン店主の弧月の作るお菓子と悩める人間の物語。一つの章が短く、悩みをお菓子の力を借りて解決していく読後感が良いのと不思議な世界観がちょうど良くて寝る前に一話ずつ読んでいた。一気に読んでしまうとあっさり終わってしまうので、ゆっくり読むのにちょうど良かった。最終話のコハク妖菓子店の由来がじんわりして良かった。2022/11/10
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