出版社内容情報
石川 えりこ[イシカワエリコ]
著・文・その他
石川 えりこ[イシカワエリコ]
イラスト
著者等紹介
石川えりこ[イシカワエリコ]
福岡県生まれ。おもな作品に、『ボタ山であそんだころ』(福音館書店、第46回講談社出版文化賞絵本賞受賞)、『ヨッちゃんのよわむし』(作・那須正幹、ポプラ社)、『しぶがきほしがきあまいかき』(福音館書店、令和元年度社会保障審議会福祉文化財推薦作品特別賞・2020児童福祉文化賞推薦作品受賞)、『あららのはたけ』(文・村中李衣、偕成社、第35回坪田譲治文学賞受賞)、『うさぎとハリネズミ きょうもいいひ』(文・はらまさかず、ひだまり舎、第5回ブックハウスカフェ大賞金賞受賞)、『ほんやねこ』(講談社)、『こくん』(作・村中李衣、童心社、第7回JBBY賞・バリアフリー図書部門受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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anne@灯れ松明の火
25
遠い方の新着棚で。一人暮らしするおじいちゃんの家に引越した「ぼく」。仲良しの友達と離れ、新しい友達もまだできないぼくの寂しさに気づいたおじいちゃんは……。ぼくの気持ち、おじいちゃんの気持ちを丁寧に描く良作。引っ越した理由は描かれないが(おじいちゃんの介護かと思ったが、元気そう)大人の事情で環境が変わる子どもという例は、昨今多い気がする。そんな時、このおじいちゃんのように、さりげなく寄り添ってくれる人がいれば、救われる。おじいちゃんとの距離が縮まったように、新しい友達も、もうすぐできるよ。2022/07/21
みさどん
23
おじいちゃんと暮らすことになって、鳥を通してだんだん仲良くなっていく自然な姿がよかった。鳥を呼びたいものだけれど、なわばりとか住み分けとかでなかなか難しい。うちでは猫からも守りたいし。実際はリンゴよりミカンが好きなはず。今年も餌台を増やしたのだ。鳥が落とした種から出てくる木ってほっておくとかなりの本数になるのである。こんな大人がいてくれるって素晴らしい。2022/11/29
Mer
19
絵本だけれど、短編のようなお話。大人の事情なのかな..住み慣れた場所から離れて、母親の実家で暮らすことになった少年はじめ。割り切れない心情や祖父との同居、簡単には縮まらない距離。庭へやってきた鳥たちをきっかけに、2人の関係に少しずつ穏やかな時間が流れ始める。新たな環境に慣れるには時間薬が必要で、そこに祖父の温かく見守る姿と優しい行動が読んでいて嬉しく感じた。どんなことも、ゆっくり焦らず。自分の心にやさしく。2022/09/17
マツユキ
17
「ぼく」はおじいちゃんの家で暮らすことになり…。祖父に対して、頑なだったけど、庭に来る鳥をきっかけに、だんだん打ち解け合う。時間は必要。慌てない慌てない。鳥が集まる庭の実現は難しいだろうけど、憧れます。2022/12/16
遠い日
12
絵本ですが短編の味わい。おじいちゃんと暮らすことになった孫のはじめ。簡単には打ち解けることができず、ぎこちない会話しかできない。それでも、なんとかきっかけを掴もうとしてくれているおじいちゃんのスタンスがいい。鳥のエサ台を庭の木に設置したり、鳥が来るのを何日も待ったり。はじめといっしょにできることをして、共通の話題を探る。植物や鳥のことを詳しく知っているおじいちゃんにだんだん心を開いていくはじめは、徐々に変わり始めた。友だちと別れてきた寂しさを埋めるものができたから。おじいちゃんの見守る温かな目が嬉しい。2022/08/25