出版社内容情報
小野寺 史宜[オノデラフミノリ]
著・文・その他
内容説明
みつば郵便局の配達員・平本秋宏はある日、市役所通り沿いに新しいお店ができていることに気づく。カフェ「ノヴェレッテ」、この町にできるはじめてのカフェだ。町の人たちは開店を楽しみにし、あちこちで話題にのぼる。次はあの店で会えたなら…。心優しきポストマンと人々の交流を描く人気シリーズ第7弾。思いがけぬ人の優しさにふれる「あなたを祝う人」、去る人がのこしてくれた忘れえぬ思い出「エレジー」など、心に小さな灯がともる4話。
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
千葉県生まれ。2006年『裏へ走り蹴り込め』でオール讀物新人賞を受賞。2008年、『ROCKER』でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。『ひと』(2019年本屋大賞2位)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
148
シリーズ第7弾。郵便配達員ののんびりした話ですが、不思議とマンネリ感はありません。読んでいて、特段大きな波はありませんが、ココロがスッと落ち着ける本当にステキな作品だなと。このシリーズ、何がスゴいって、ちゃんと過去作品の登場人物をしっかり整理してきて、ここぞというトキにしっかり演出してくれます。主人公と彼女の関係をはじめ、他の面々とのつながりも改めていいなぁと思いました。主人公自体の大きな変化はさておき、新たな出会いや寂しい別れなど歳月を重ねると切り離せない展開もあり、人々の成長がしっかりと伺えました。2022/07/16
モルク
137
シリーズ第7弾。今回も秋宏の転勤はなくみつばの郵便局の面々も変化はない。いつものように何か大きな出来事があるわけではないが、人と人との繋がり、年老いていくことなどほんわかムードの中で繰り広げられる。最後にはあの人とあの人が遂に…。秋宏たちはまだか?2023/03/01
のぶ
125
小野寺さんにこんなシリーズがあるのを本書を読んで初めて知った。それも第7弾だという。いきなり読んだので、前からの関係は分からないけれど、やんわりした雰囲気が漂って楽しく読む事ができた。みつば郵便局に勤め郵便配達員として働く、平本秋宏をめぐる4つの話。読んでいて心が落ち着くような気持ちになった。郵便配達って何か硬い仕事だという印象があったけれど、町の人たちとの触れ合いが上手く描かれていて、そんな感覚を払拭するようなものばかりだった。去る人がのこしてくれた温かな思い出「エレジー」がお気に入りだった。2022/06/13
ゆみねこ
91
シリーズ第7弾。みつば郵便局の配達員・平本秋宏は4月の異動もなく8年目に。町に新しいカフェが出来たり、幼かった子供たちが大きくなったり、配達先の小学校では担当の教員が変わったり。周りの小さな変化はあれど秋宏の配達姿勢は変わらない。安心して読めるシリーズ。2022/08/07
aoringo
89
根っからの誠実な人柄の郵便屋さん。彼のまわりも良い人ばかりで小説だからなあと思っていたけど、相手を変えるくらいの思いやりの心の持ち主なのか。本人がそれを意識してないところがいい感じ。安定の癒しのストーリーでした。2023/12/04