出版社内容情報
小路 幸也[ショウジユキヤ]
著・文・その他
内容説明
たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。新米カメラマンの樹里が働く“久坂寫眞館”は、大正から続く商店街いちばんの古株。社長の重は若くして跡を継いだ四代目だが、お客の写真は撮らないのだという。それもそのはず、重が撮影する写真には幽霊みたいなものが写り込んでしまうそうなのだ。二人であれこれ調べているうちにふと思いつき、重が「動画」で撮影した瞬間、思いもよらないことが起きて―
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
北海道生まれ。広告制作会社を経て、執筆活動へ。『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
251
小路 幸也は、「東京バンドワゴン」シリーズ中心に読んでいる作家です。「花咲小路」シリーズ第7弾、タイムスリップモノ、SFっぽい作品でした。4月の「東京バンドワゴン」シリーズ最新作が、待ち遠しい今日この頃です。 https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008377.html 3月は本書で読了です。2022/03/31
モルク
143
花咲小路シリーズ第7弾。久坂写真館にフォトグラファーとして採用された樹里。若き店主重とその母親の住む写真館に住み込みで働くことになる。重の特異な能力、そしてふたりはタイムスリップし、1990年に…。商店街でおこった火事の秘密を、怪盗セイントであることを認めたセイさんの協力を受けて探る。セイさんの奥さんのことを知れてよかったし、セイさんの超人的な行動にビックリ。セイさん以外の住人たちの登場はなかったが、皆変わりはないのかな?悪人が出てこず安定のシリーズ。新刊出たらまた手に取ってしまうんだろうな。2022/10/11
とろとろ
96
シリーズ7作目かな。こんどはタイムスリップの話か。特殊な人が結構多く住んでいるので期待したのだが、タイムスリップ物だとは虚を突かれた感じ。二丁目の写真館に就職した若い女性が主人公なのだが、これが最終的にはやはりセイさんと繋がっていたんだということね。世界は広いようで狭いんだな。タイムスリップに併せて花咲小路商店街の過去が明かされていく。シリーズ6作目を読んだのが2020年の6月だと記録にあるが、たった2年間に過ぎないのに色々事件があったなぁと自分史を振り返って…一緒に感慨に浸る…そんな読後感でしたねぇ。2022/12/07
ジュール リブレ
96
アーケードのある商店街っていいなぁ。古くさいイメージが今はレトロで新鮮。看板建築も珍しい。それもシャッター街の寂れた商店街が徐々に消えていったからこそ。さて小路幸也さんの花咲小路商店街は今も元気。四丁目のアーケードは昭和50年代に火事で焼失してしまったけれど二丁目の寫眞館(旧字の写真が素敵だ)は跡継ぎ・重と若き写真家ジュリのコンビに代替わり。矢車聖人(セイさん)齢80にして尚健在。縦横無尽に大活躍。相変わらずいい人たちが住うこの街に幸あれ。2022/03/30
ゆみねこ
90
シリーズ7作目は2丁目の古くからある寫眞館。4代目社長の重と新人従業員の樹里が、セイさんと共に4丁目で起きた火事の謎に迫る。セイさんが若いふたりに自らの正体を明かしてまで知りたかった火事の謎と、矢車家の秘密とは?悪人は出てこない安定の小路作品、楽しく読了!2022/03/12