出版社内容情報
楠谷 佑[クスタニタスク]
著・文・その他
内容説明
全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。あすなろ館の住人の一人・兎川雛太の部屋に、新たな入居者がやってきた。転入生の鷹宮絵愛。彼は動物にしか心を開いていない変人だが、優れた頭脳の持ち主だった。ある日、あすなろ館に向かう遊歩道の途中にある東屋で、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。現場の状況から犯行が可能なのは、あすなろ館の住人だけだった―!?
著者等紹介
楠谷佑[クスタニタスク]
1998年、富山県生まれ。高校在学中に『無気力探偵~面倒な事件、お断り~』(マイナビ出版刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
62
霧森学園のヒナと転校生のエチカは同部屋のルームメイト。 そんな学園で起きた殺人。 その状況から、2人が入寮しているあすなろ荘の住人でしか殺人を行えないことに。 コージーミステリかと思っていたら、実際の殺人が起こってしまう。 凶器や殺人の方法は分かっているが、問題は住人の誰かという点。 それらの伏線が散りばめられており、ラストで事件を起こせる可能性のある犯人が暴かれる。 いじめ問題などがテーマになっているが、意外なほど爽やかなラスト。 このコンビは続編が作れそうな気が。2022/09/12
koma-inu
58
高校寮ルームメイトのヒナとエチカが探偵役。ほんわか日常の謎かと思いきや、中盤で殺人が起こる、本格ミステリ。容疑者は8人、解決編ではエチカが一人ずつ容疑者を減らす・・綾辻さん「鳴風荘事件」風です。容疑者がゼロになるものの、盲点ーある理由で、あるところから見落としてしまうーをついた真相が魅力的。ミスリードがフェア&秀逸で、そこにいくか〜!?と関心しました。ラストの二人の心温まる(BL気味の)掛け合いも、作風に合っている気がして、悪くないです。キャラもミステリも楽しめたので、次作も期待しています!2022/09/15
さっちゃん
52
全寮制男子校の霧森学院には格安で入れる旧寮「あすなろ館」がある。新学期、高2の雛太の同室に転校生のエチカが入居。二人が少しずつ打ち解けてきた頃事件が起きる。/男子高校生達のいちゃいちゃ…いや、わちゃわちゃが繰り広げられるライトな読み心地。キャラの言動がひと昔前の漫画チックなのが好みの分かれどころか。今時こんな高校生いるかな?と思わなくもないけど、これはこれで楽しめる。殺人事件の謎解きも明快で後半の勢いがgood。すっかり騙された~。続編出たら読みたい♪2023/01/08
真理そら
42
高校の男子寮のルームメイト・ヒナとエチカが校内で起きた事件を推理していく話。きれいで性格難のエチカと女の子のように可愛いが武闘派のヒナがあれこれ推理している描写はラノベ風だがミステリーとしては王道かも。推理のためのヒントやらミスディレクションが入り混じっている上にアリバイから犯人候補を一人ずつ消していくという名探偵風の謎解きが少し懐かしくて楽しく読了。2025/05/09
よっち
42
全寮制男子校の霧森学院旧寮あすなろ館。始業式前日、今年度から学院に編入したエチカこと鷹宮絵愛が入居して、学院で起きる事件を解決するミステリ。昨年の事件で今は6人のみのあすなろ館。同室の兎川雛太や寮生たちと最初は反発しながら次第にお互いを知る中で起きる、消えた500円玉、寮生を階段から突き落とした犯人、そしてエチカに目をつけていた生徒会長の殺人事件。あすなろ館の中に犯人がいるという状況で、論理的なアプローチで一つ一つ嫌疑を晴らしていく探偵役エチカが、意外な真相を見出してゆく結末がなかなか印象的な物語でした。2022/05/17