出版社内容情報
峰守 ひろかず[ミネモリヒロカズ]
著・文・その他
内容説明
妖怪たちの古道具―古“妖”具を取り扱う不思議なお店「蔵借堂」は、店主を始め、店員も皆妖怪!金沢に転校してきた葛城汀一は、普通の人間ながらそこでアルバイトしており、クラスメイトで唐傘の妖怪・時雨とともに日々妖怪がらみの事件に巻き込まれていた。ある日、さすらいの妖具職人・魎子が店にやってきて、時雨を弟子に誘う。凸凹コンビに別れが訪れることに…!?ほっこり温かく、ちょっぴり切ない妖怪の日常系事件簿。
著者等紹介
峰守ひろかず[ミネモリヒロカズ]
第14回電撃小説大賞“大賞”受賞作『ほうかご百物語』で2008年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
40
人と妖怪が育ててきた友情に別れが。金沢は雨が多いようですが、本文中もしっとりと涙雨を降らせてもらいました。友情・青春・失敗といろんなことがありますが・・老いた今いい思い出として蘇ってきます。泉鏡花の「高野聖」中学の時密かに想っていた高校生に「これ読んどき」と頂いた本でした(#^^#)。2022/09/28
Takanori Murai
22
小生意気だが憎めない小さな妖怪仲間が増えた。親友時雨の旅立ち。別れは寂しいが汀一は独り立ちできるのか。若者たちの成長は良きことなれど、ファンとしては少し淋しい気も、つい親目線。名前だけ出てきた泉鏡花記念館、次回作では是非小春木くんと学芸員さんのコアなやり取りが見たい。2021/07/12
みどり
6
外出の合間に読むにはちょうどいい内容だし、 とてもいい話ばかりだったのだが、不覚にも中盤から涙してしまう、罠が張られていた。 これは、ここで終わりなのか、続くのかどちらでもいい終わり方。2021/07/07
bluets8
2
汀一と時雨、一年かけて友情を育んできた二人に大きな転機が訪れるシリーズ第三弾。主人公だから当たり前ではあるけれど、汀一の気分が沈むと作品全体の雰囲気も暗くなる。雨の多い金沢の街と、悩んで晴れない気分の二人の心情がシンクロしているので余計に。その暗さに、特に時雨を送り出した後の汀一の沈み具合に二人の友情の深さを感じられるのだけど。亜香里が少し押せば恋が成就しそうなくらいデレてたのに、時雨にしか目が行っていないタイミングの悪さと不器用さが汀一らしい。そして、このもどかしさが青春小説の醍醐味か。2021/07/08
ひな
1
金沢に多少縁があるので、W坂って多分あそこかな?って程度には地名や生活がイメージできて、自分的に親しみやすい物語でした。出てくる妖怪話にも元になった言い伝えや原典の話がちらっと出てきて、楽しく読めます。主人公、とっつきにくい相棒といつのまにか仲良くなってるから、、全方位型で愛嬌のある人気者キャラかと思い込んでたら、むしろ特定の友達大事にするタイプで軽くびっくり。あと、方言男子が可愛いです。2022/09/15