出版社内容情報
木原 克直[キハラカツナオ]
著・文・その他
内容説明
今まであまり言われてこなかった「大人のいじめ」の実態とは?大人のいじめについて、被害者や加害者、傍観者を取材、専門家にも意見を聞いたNHKの担当ディレクターが、大人のいじめの実態を伝えるとともに、いじめにあった時にどうすればいいのかなどの対処法も紹介する。
目次
第1章 実例から見る「大人のいじめ」(「大人のいじめ」とは何か;“すべてが生徒・保護者優先の学校現場―田中さん(仮名)の場合” ほか)
第2章 なぜ「大人のいじめ」は裁けないのか?(いじめは犯罪にならないのか?;「パワハラ防止法」について ほか)
第3章 世界でも広がる「大人のいじめ」(イギリスのケース;韓国のケース ほか)
第4章 解決に向けてのヒントを探る(無料で相談できる「個別労働紛争解決制度」;「いじめの解決」とは何をさすのか ほか)
著者等紹介
木原克直[キハラカツナオ]
NHKディレクター。1984年生まれ。京都大学理学部卒業、東京大学大学院数理科学研究科修了。2009年NHK入局。長崎放送局、大阪放送局を経て、現在、制作局第3制作ユニット・ディレクター。「NHKスペシャル」、「ドキュメント72時間」、「クローズアップ現代+」、「バリバラ」、「あさイチ」など、ドキュメンタリー、先端科学や生命倫理などについて考える番組を制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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タルシル📖ヨムノスキー
24
2019年の小学校教師が同僚教師に無理やり激辛カレーを食べさせたことから発覚した教師のいじめ事件は記憶に新しい。大人の世界でもいじめがあるんだから、そりゃぁ子供のいじめはなくならないわけだ。子供であれば「転校」という対策も取れるが、大人はなかなかそうもいかない。いじめの何が問題かって、犯罪として立証するのが非常に困難だということ。いじめる側もその微妙なラインを巧みに突いてくる。「村八分」なんて言葉があるくらいだから大なり小なり昔からいじめはあったと思うのだが、やはり原因は社会全体に余裕がなくなったことか?2024/06/06
まゆまゆ
17
職場におけるいじめ・嫌がらせが年々増加している実態をもとに、大人のいじめについて考えていく内容。いじめとは曖昧な言葉で、犯罪とも違うし、厳密にはパワハラとも違う。しかし解決に向けては外部の力を借りないと難しい実態がある。解決後に自分がどうなっていたいかを考えた上で解決を目指すことが必要。2022/06/06
TAKA0726
14
大人のいじめとバワハラは、重なる部分と異なる部分があり境界も曖昧。いじめ相談が多いのは、責任の所在が分かりにくく職場に相談窓口のない学校と医療機関。被害者・加害者以外に傍観者がいることで、加害者は黙認されていると思いいじめの長期化・固定化になる。傍観者が解決に動くほどいじめの収束は早くなる。銀行は職場も服もみなキレイだが文化としては村社会、連帯責任を負わせることでお互いを監視している。職場の効率や個人の成果を重視し社会全体余裕がなくなってること、誰かがいじめられれば存在が他人の避雷針で集団が上手くまわる。2022/06/17
kanki
14
いじめ解決はどこ?処罰?慰謝料?労働局や労働審判、社労士と相談を。2022/05/31
メチコ
12
大人のいじめ問題。 実例をあげてそのきっかけや原因などを深掘りし、また法からの視点や海外における実情など、多角的にいじめ問題を検証している。 いじめとは何か?いじめの解決とは何を指すのか? 犯罪やハラスメントとの境界線が明確でなく難しい問題なのだなと再確認。 社会保険労務士いわく、いじめの相談の多い職種が「学校」と「医療機関」なんだそうで。 いじめが起こりやすい環境というのは「閉鎖的かつ狭い空間で上下関係がはっきりしている組織」と思っていたので、これには納得である。2022/09/15
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