出版社内容情報
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
本屋大賞受賞ほか、圧倒的支持を受け堂々8冠のベストセラー。
内容説明
学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた“こころ”は、部屋の鏡をくぐり抜けた先にある城に通うようになる。そこで出会ったのは、境遇の似た仲間たち。7人それぞれの事情が少しずつ明らかになるなか、城の終わりの日が刻々と近づいてくる。鍵は見つかるのか、果たしてこの中の誰の願いが叶うのか―。ラストには驚きと大きな感動が待つ。本屋大賞受賞作。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビュー。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。『かがみの孤城』が2018年本屋大賞第1位に。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
661
多くの読み友さんたちご推奨のこちら、後半は一気だった。青春ファンタジーであり、ラストはどんでん返しの連続、良質なミステリーでもある。上巻で馴染みになった登場人物たちの、それぞれの悩みや事情が次々と詳らかになっていく場面、そして圧巻のラスト。映像で観てみたいような、そのままにしておきたいような。悩める(悩んでないティーンエイジャーなんていないと思うが)中高生にも絶対オススメの一冊。2023/03/21
夢追人009
566
このレビューは全体を読み終えた後で書いておりまして、上巻で書いていない事を書きますね。こころは本当に繊細な女の子でご両親はとても辛抱強く娘を叱らずに長い間見守ってあげたなあと感心しましたね。もしこの物語で誰かが真実に気付いて鍵を見つけたら何かの願いが叶っただろうかと一瞬思いましたが、きっとそれは要らぬ心配で結局はこの結末しかなかったのだろうなと思い直しましたね。明らかにタイムパラドックスなのですが、ある重要人物の人生の進路が、この物語の最大のピンチの場面で仲間達に救われたからこそ成立しているのですからね。2021/11/05
あきら
431
キャラクターの心情を丁寧に表現してあり、物語の世界に引き込まれました。 最後の最後まで驚きと感動があって、飽きさせない。 一気読みしてしまいました。2021/03/22
けいご
419
誰かの悲しい記憶は時代が進めど変われど社会の何処かで作られそして積み上げられ続けるのだけれど、もしもその途中で少しでも光を見つけられたならそんな記憶もいつか誰かを悲しみから救う為の力に変えられるんじゃないかな?と言われた気がする1冊でした★小さくても少しでも光を与えられる人間(理解しあえる人間)になるには凄く凄く力不足だけれども人生まだ長げーんだから少しづつ近づけて行こうと思いました★誰かを想いやろうとする事は別の誰かの想いやりの気持ちを育む原動力になるからまずはそこからだね★2021/05/05
よしのひ
356
明日も仕事あるが、気になってしまい時間気にせず一気読み。下巻始まってすぐの展開に、先行き不安を感じたが「3月」が凄かった。伏線が1つだけでなく次から次へと湧いて出てくるので、途中休憩できる間もなかった。きっと読みこぼれた個所もあるだろうから、そこは再読して発見したいなという喜びもあり。…違和感の正体は薄々感づいていたけど、それも裏切るような結びで「あぁ出会えてよかった」と思えた作品。さて明日からも頑張ろう。2021/03/10