出版社内容情報
仕事も恋愛もぱっとしない岡野七子がたどり着いた、住宅街の洋菓子店「月と私」。そこには、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出して、物語としてお客に届ける、「ストーリーテラー」がいた――。さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、ストーリーテラーの語る物語と、美しいシェフの作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。疲れた心に甘くやさしく沁みわたる連作短編集。
内容説明
仕事も恋愛もぱっとしない岡野七子がたどり着いた、住宅街の洋菓子店「月と私」。そこには、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出して、物語としてお客に届ける、「ストーリーテラー」語部九十九がいた―。さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、語部の語るストーリーと、美しいシェフの作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。人生を変える物語をどうぞ。ワケありストーリーテラーと美しいシェフとお客が織りなす、疲れた心に甘くやさしく沁みわたる連作短編集。
著者等紹介
野村美月[ノムラミズキ]
福島県出身。『赤城山卓球場に歌声は響く』で、第3回えんため大賞小説部門最優秀賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
55
様々な悩みを抱えて店を訪れた人たちを、ストーリーテラー語部の語る物語と美しいシェフ・糖子の作る極上のお菓子で心解きほぐしてゆく心に甘く優しく沁みわたる連作短編集。ぱっとしないフリーター、突如休暇を宣言した専業主婦、素直になれなかった少年の呪い、ケーキを買いに行けないシャイな中年男性、糖子の妹・麦の片思い、語部の過去、そして店が生まれ変わるきっかけとなった二人の出会い。ひとつひとつのエピソードも良かったですけど、何より語部の真摯な想いと彼に感化され変わってゆく糖子の不器用で甘い関係がとても素敵な物語でした。2021/01/02
ぶんこ
54
満月、半月、三日月の3パターンのお菓子しか作らない「月と私」というケーキ屋さん。どれにも物語があって、それを語ってくれるイケメンのストーリーテラーの語部さん。美味しいお菓子を作るのは気弱でたおやかな糖花さん。好きな人を自分だけのものにしようと、おとしめ、けなす令ニ君はおそろしい。見た目は爽やかで優しそうなイケメンというのも怖い。人に喜んで貰える物を売るって、本当に素敵なことだと語部さんが教えてくれてます。自信を持ってお勧めできる嬉しさは最高。満月のホールケーキを食べたくなりました。2021/03/26
tan
35
表紙絵と題名通りのいかにもYA向けの甘ったるいお話でしたが、それも含めて面白く読みました。私もお菓子作りが好きで何冊かレシピ本を持っているのでお菓子のイメージを想像しながら読みましたが、お菓子にストーリーをのせて紹介すると、また一層お菓子が引き立ちますね。「いかにもうんちく」のようでなかったのが良かったです。登場人物が出来過ぎ感アリアリでしたがそれはYA向けなので良しとします。2021/06/01
わむう
31
バラのような美しいシェフの糖花が作った月をモチーフにした素敵なお菓子を、イケメンストーリーテラーの語部がその魅力を最大限に引き出します。それぞれのお客さんの悩みに悟り、寄り添うお菓子と物語をそっと提供してくれます。糖花の片思いで終わるかと思いきや、どうやら両想いだと読者に思わせるところで終わり。続編をぜひ期待します。2022/11/16
陽子
29
そもそも「ストーリーテラー」って、何?‥と思いながら読み始めた。お菓子にまつわる物語を夢のように語り出す「黒執事」のようなイケメンの語部さん。まるでお客様自身のストーリーのように語ってくれる不思議さ。洋菓子店『月と私』で紹介されるお菓子たちはあまりにもオシャレで美味しそう。見た目も味もどれだけ素敵なんだろう?と、脳内イマジネーションが追いつかない。極上のバタークリーム、味わってみたい。「満月のウィークエンド」etc.〜お菓子のネーミングが美しい。これは軽ーい感じで読める。2021/11/25
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