出版社内容情報
発達障害が一般的に知られるようになる一方、過剰ともいえる診察、診断が増えているという。誤診が生まれる背景とは――。
内容説明
「発達障害」について、正しく理解していますか?2002年の文科省の調査結果を境に、発達障害は徐々に知られるようになった。一方、受診者増加とともに、過剰ともいえる診察、診断が見られように。発達障害にまつわる近年の変化と、一般的な理解の隔たりを踏まえ、発達障害研究の第一人者が基本的な考え方から最新の知見までを伝える。
目次
第1章 「発達障害」という診断名はない
第2章 発達障害を構成する3つの障害
第3章 過剰検査と過剰診断
第4章 併存・合併・二次障害による困難
第5章 発達障害は増えていない?
第6章 発達障害は治る
第7章 発達障害は子どもだけの障害ではない
第8章 発達障害は男性に圧倒的に多いのか?
著者等紹介
榊原洋一[サカキハラヨウイチ]
1951年東京生まれ。東京大学医学部卒、お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授を経て、現在同名誉教授。チャイルドリサーチネット所長。小児科学、発達神経学、国際医療協力、育児学。発達障害研究の第一人者。著書多数。現在でも、子どもの発達に関する診察、診断、診療を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カッパ
10
自分の子どもが発達障害だと診断されています。基本的には納得しているのですが、何事も100%ということはないのでこのような本を読みました。一般の病気であっても診断を間違われることもあるのだから仕方ない。 この本を読むと発達障害とはや、併存や合併などについて整理されている。また、治るというより改善した結果病気からはずれることもある。医師がどのように診察しているかというのを読むと心許ない気持ちにもなる。一読の価値あり。2024/04/14
ふたば
9
近年になって急に聞かれるようになった「発達障害」いろいろな誤解と偏見に満ちたこの言葉が示すものを丁寧に噛み砕いてせ詰めてしている一冊。発達障害の診療と治療の歴史から現在の状況。いかに診断が難しく、誤りやすいか、どう向き合うべきなのか。当事者である子供とその親に向けて診断と治療に当たって何に留意すべきかを示唆している。病気の治療は、誤りを重ねながら発達していて、未だ発展途上にある。正しく知ることが、子供たちを延いては、大人の発達障害をも救う一手となると知ることができた。2020/03/06
rou
9
遺伝子は表現形を変える→大人になってからのADHDはあり。第二子が第一子誕生までに間がない場合発達障害の可能性は高まる。女児のADHDは社会的に女の子としての振る舞いを身につけて然るべきという要請に応えるようにして多動衝動性が抑圧されるため、一見男子のADHDの方が多いように見えているだけ。診断時にDSM万能は✖︎。初診で厚生省研究班のADHD診断治療ガイドラインのMRIやCTの適用はない。2020/02/20
biba
8
夫からの推薦書。この先生の講座を拝聴し、とてもよかったので購入したとのこと。子供が小さい時、NHKの子育て番組をよく見ていました。悩んでいる保護者の方に優しくお話している姿に好感を持っていました。こちらの本もわかりやすく、子供たちの成長を考えさせられる内容でした。診断を下されるまでの先生の姿勢には頭が下がりますし、お医者さんでも難しい診断をされているとうことがよくわかりました。子供と仲良くなって信頼関係を持つことが大切だと思いました。2021/02/21
がりがり君
8
ずっと読まず嫌いをしていたのだけど結果的に私の知識の穴を埋めてくれる本になりました。2002年及び2012年に文科省の大規模調査が行われ、そこで通常学級に通うおおよそ7%が何らかの発達障害を持つと指摘される。あと話題になりがちなエビジェネティクスと発達障害の関係や、ASDの障害の中核は(社会的)想像力の障害であること。発達障害は増えてるか?という問いに対して診断基準の変化だときっぱり。著者もかつては発達障害と診断しなかった子供が今は発達障害と診断してることを自覚してるそう。2020/03/23
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