出版社内容情報
学問の第一線で活躍する先生たちはめちゃくちゃ個性的でおもしろい!そんな先生たちがおもしろいことをおもしろがって研究するのが、学問なんです。「生命」という研究対象に全く異なるアプローチで研究する3人の先生たちを通じて、学問のおもしろさを奥深さを体感してください!あなたの学びたい学問に出合える読み物シリーズが登場です。
★この巻に登場する先生★
福岡伸一先生(青山学院大学・生物学)
篠田謙一先生(国立科学博物館・分子人類学)
柴田正良先生(金沢大学・哲学)
目次
1 生命とは何か?(福岡伸一先生 生物学)(「お変わりありませんね」は、お変わりありまくり;昆虫の謎に取りつかれた少年、2度の挫折を経験する;ジグソーパズルのピースは、こっそり交換されている ほか)
2 日本人はどこから来て、どこへ向かうのか?(篠田謙一先生 自然人類学)(「なんとなく理科系」の少年が、人類のルーツを追うまで;なりゆき任せで化石を掘り、なりゆき任せで人体解剖も;最先端のDNA解析技術で、最古の人類が明らかに!? ほか)
3 ロボットは「心」を持つことができるか?(柴田正良先生 現代哲学)(人間と共に生きるロボットには「心」がなくちゃ!;誰も正体を知らない「心」を哲学で考える;タマネギの皮をむくように哲学をしよう ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
63
三賢人の学問探求ノートというサブタイトルに惹かれ手に取った一冊。登場するのは生物学の福岡伸一先生、自然人類学の篠田謙一先生、現代哲学の柴田正良先生。私の座右の銘にしようと思ったのは生命の枠を超えた「動的平衡」の概念(自分自身を壊して入れ替え変化していくこと。そのためにゆるゆる、やわやわで持続可能にしよう)、「人間というのはDNAが間違った末に存在している生き物であり、間違うことは生命の本質」(何のために生きるかなんて分からない。選択の幅を広げるために色々体験しよう)の二点。思わぬ感動のオムニバス本でした!2022/10/09
けんとまん1007
50
専門分野が異なる3つの視点から、生命とは何かを考えるのが面白い。異なる分野でありながら、通底するものがあるように思う。生命は変わり続けるものでありながら、維持する部分もある。変わること・・・先が読めないからこそいいのだと思っているので、まずは、いろいろ考え実践してみることから始める。そこから次の一歩が始まる。三人の方々も、それぞれに失敗(?)と言われることを経験されている。だからこそ、今の姿があるのだということにエネルギーをいただける。2024/04/18
ta_chanko
13
生命の本質は「動的平衡」。常に自分の一部を壊して新しいものと入れ替えながら、全体として均衡を保つ。しばらく経つと全体を構成する物質はそっくり入れ替わっているが、統一性と連続性を保ち続けるもの。進化=「突然変異」。遺伝子のコピーエラーによって、つまり偶然性や失敗によって、新しい可能性が開かれていく。そう考えると、失敗や行き当たりばったりを否定する必要はなく、むしろそれを生かして新しい道を探っていくことが大切。現代哲学は最先端の科学と向き合う学問。倫理的・道徳的問題に挑むことが大切な仕事。2020/10/12
spatz
11
「人間がどんな生物なのかすこしばかり見えてきたような気がする」(中1男子)
葵
8
お三方の今までの人生についての話を読んで、やはり何が起こるか分からないから自分の興味の赴くものに携わった方がいいということを再認識した。しっかり芯は持って流されていく。話は変わるが、こういう類の「成功者インタビュー」には男性ばかりのことが多く、「女性」成功者と付けない限り女性が出てこないが、将来生命科学分野で女性が普通に扱われる様に私も努力したい。2021/01/09