出版社内容情報
クラスメイトの困難を知る、意識する、認める、尊重と共存する ために。子どもたちの葛藤と変化を描く、未来へ向かう一冊。
内容説明
血のつながらない同い年の姉は、本を読むのが深刻に苦手。様々な見えにくい困難を見えないことにしないだれか達の話。
著者等紹介
梨屋アリエ[ナシヤアリエ]
栃木県生まれ。『でりばりぃAge』で第39回講談社児童文学新人賞、『ピアニッシシモ』で第33回日本児童文芸家協会新人賞を受賞
津田[ツダ]
石川県金沢市出身/東京学芸大学教育学部卒業。2018年より、イラストレーターとして音楽系アートワークやMV制作、装画を中心に活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
116
人には理解してもらえず困ること、誤解されたり、うまく説明できなかったり。そういうもどかしい様子が書かれている。ディスレクシアのグレーゾーンにいるひすい。女にも男にも分けられたくない理幹。書字の違和感により合理的配慮を求める心桜。両親と死別し、養育里親の養子になった拓真。大人の期待に応えたい過食ぎみの小晴。過敏症をわかってもらえない留美名。障害と書かれているが、今は神経細胞の多様性と捉えられているらしい。あとがきに作者の体験によって書かれているとあり驚いた。何かに悩んでいる人に耳を傾けなければと思った。2021/09/10
舞
113
色々考えさせられ、良かった。辛かったけど。学生だけではなく大人にも勧める。良い読書タイムだった。付箋だらけで笑装丁も好き!困り事、障害、への配慮とは?差別とは?色々な人がいて、それぞれ大変な事困り事がある。お互いを知り、認め合って、歩み寄ることが大切ってことか。押しつけ、決めつけ、話を聞かない、自分の普通を基準にして人を見るのではなく、視野を広げて、支え合い,自分の人生を生きることが大事。結果的に良い方向に行って良かった。怠けてない。生きてようね。みんな死なないで生きていてね。か…。↓2023/08/25
はる
80
読友さんの御感想から。様々な問題を抱える中学生たち。それぞれの悩みや葛藤が繊細な筆致で描かれていて引き込まれました。登場人物たちの真摯な想いが切ない。しかし、その想いは大人たちには伝わらない。特に担任教師の独善的な価値観に寒気がする。大人として、とても考えさせる物語。「人にわかってもらうということが、大変なのがよくわかった」。あとがきを読んで作者の強い想いが理解出来ました。哀しくて苦しい物語だけれど、凛とした子供たちの姿が爽やか。彼らのその後が気になるなあ。2019/10/09
☆よいこ
78
ど直球で痛いくらい突き刺さるYA。それぞれの立場からみた中学2年生の学園生活が5編[おぼろ月、名残月]養子でやって来た同い年の弟、親友だと思っていた友達が離れていく、文章を読む障害があるかもしれないとの気づき。石崎ひすいは優等生だと思われたかった。[自分の正体スペクトル]男だとか女だとかよりも自分でありたいと思う入来理幹(いりきみき)[血のインク]可愛い顔という自分の特性を生かす心桜(こはる)は、書字障害に対する支援を求める。[出さない手紙]ひすいの弟[ゴルディロックスの行方]化学物質過敏症と不登校。▽2019/11/01
舞
75
読了して、またすぐ、再読、読了笑 タイトルの意味が深いなあ…やっぱりいい。再読すると,さらに、つながりが見えて…良き…でも重いというか…どうしようもないよね…笑2023/08/26