出版社内容情報
ジュリア・ロバーツ主演にて映画化決定！ 「ある冤罪」が私たちに突きつける世界の現実とは――大注目作ついに日本上陸！
内容説明
ぶつかりながらも無罪に向けて二人は準備を整えてきたはずだった。しかし、隠された「ある嘘」が、誰も予期せぬ展開と、感動の結末へと導いていく―。私達が目をそむけてきて、私達が向き合わなければいけない「世界の現実」に挑んだ衝撃作、待望の日本上陸！
著者等紹介
ピコー，ジョディ［ピコー，ジョディ］ ［Ｐｉｃｏｕｌｔ，Ｊｏｄｉ］
１９９２年「Ｓｏｎｇｓ ｏｆ ｔｈｅ Ｈｕｍｐｂａｃｋ Ｗｈａｌｅ」で作家デビュー。２００４年刊行の『私の中のあなた』は大きな反響を呼び、ベストセラーとなった。０３年にはニューイングランド地方を舞台に活躍する作家に贈られる、ニューイングランド・ブックセラー・アワードを受賞
川副智子［カワゾエトモコ］
早稲田大学文学部卒。訳書多数（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
24
黒人の看護師ルースが新生児を殺した罪で起訴される。彼女はなぜ容疑者となるのか、から始まるルース達アフリカ系黒人の置かれた位置について。稼ぐ夫がいるので「お金にならない仕事も引き受ける」弁護士ケネディはルースの主張する正しさを理解できないで、とにかく「勝つために」裁判を進める。ルースが体験するアフリカ系黒人の扱われ方は本当に根深くて酷い。職場では当然のように昇進できない。スーパーでは身分証を要求される。逮捕される時は手ひどく扱われ家はめちゃめちゃにされる。ルースが裁判で勝ち取りたいものは何か。2022/02/02
アヴォカド
19
久しぶりに、寝る時間を削っての一気本。はっきりと明らかなレイシズムよりも、むしろ良心的で自分は差別感情などないと思っている普通の自分たちの中にあるレイシズムをえぐり出して、見せる。突きつけられる。今でも有色人種の日常にこんなことが起こるのかという驚きや、冤罪に飲み込まれ易い構造、大事なものを失っていきそうなルースに胸が痛い。怒りも感じる。でも、単純に白人vs有色人種という話ではない。人種だけでもない。多様性、許容、怒りを超えること、家族…たくさんの問題を孕むスリリングなストーリーに、読むのを止められない。2019/05/14
shizuka_電気うさぎ
10
今、このご時世だからこそ、たくさんの人に読んでもらいたい。これは「白人と黒人」に限られた話ではないから。まさしく「私たち」が直面していることだから。2020/02/21
本の蟲
9
白人至上主義者の両親から生まれた新生児死亡と、その担当だった黒人看護師。冤罪裁判から米国における人種差別の実態を描いた作品。看護師ルースが裁判を通じてついていた、ある嘘。嘘をつく理由がわからず、拍子抜けするかもしれないそれこそ、米国の差別を実感できていない証拠でもある。身体検査されず終わる一日を幸運と思わず、相手の用心深さ・嫌悪・からかいに鈍感なふりをして、常に「善良で無害でここにいてもよい」ことを証明する必要がある毎日。積極的差別ではなく、既得権益に対しての無知からくる消極的差別を浮き彫りにしている2022/12/12
GO-FEET
8
「私の中のあなた」からほぼ十年、ちょっとテレビドラマのような結末は別にしてなかなかの読み応え！ 新潮や早川から出てたら違ってたかもしれないけど、〈ポプラ文庫〉というのがネックになのか、全く書評で取り上げられていないし、ネットでググってもほとんど反応なし！ 読書メーターをやってなかったら出会えなかった可能性大の一冊。読み友さんたちに感謝、感謝！★★★★2019/07/17
