出版社内容情報
人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが街の人に幸せを贈る「サンタクロースの昇天」など、心温まる連作短篇シリーズ第8弾!
内容説明
本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが、街の人たちに幸せを贈る「サンタクロースの昇天」、取り壊しの決まった雑居ビルで占い師をしている女性が来し方をふりかえる「勇者のメロディ」など、他者の幸福を願って生きた人たちの顛末を描く。各話に「猫」が登場、機知にとんだユーモアで包みながら、生きること老いることの意味を温かく伝える、大人気シリーズ第8弾!
著者等紹介
村山早紀[ムラヤマサキ]
1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。『桜風堂ものがたり』(2017年本屋大賞ノミネート)、『百貨の魔法』(2018年本屋大賞ノミネート)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
215
シリーズ第8弾は「猫に始まり猫に終わる」特別編的な3作。村山さんらしい温かい童話世界ではあるが、どの話も人生のエンディングや命をテーマにしているのが、このシリーズとしては珍しいと思ったら…あとがきを読んで納得!愛猫への想いに頷きつつウルッときた。私は猫よりも判り易い犬の方に目尻が下がるタイプだが、猫の良さを教えて貰った気分。妖怪?ねここの寂しさがチラッと描かれているのも切なくて次作以降も見守り続けたいと思った。長かった冬の終わりに春の日差しを感じさせるような本作を読めて幸せ…心のリハビリには村山さんだ💛2019/03/18
ぶち
127
子猫の千春がコンビニたそがれ堂を訪れてきました。お店番は、猫の妖怪の"ねここ"お姉さんです。大好きな飼い主の家族をずっと見守っていきたいと、化け猫になれる薬を求めてきた千春に、ねここさんが話して聞かせた2つのエピソードが心に沁みます。化け猫になんてならなくても、猫も飼い主も幸せになれるのです。"大好きなみんなが幸せでありますようにって...その祈りは魔法になって大好きな人たちを守るから。化け猫になるより、大好きな人たちを幸せにできるのよ"。そして、一緒に眠ってくれる猫がいるだけで飼い主も幸せなのです。2020/11/08
SJW
121
本シリーズ第8弾。全編に猫が登場し、猫好きにはたまらない1冊。村山さんが19才3ヶ月の老猫に去られ、子猫を迎え入れた時に書かれた作品。生きることと老いることの意味を伝えてくれる話は、悲しくも温かくとても癒される。「サンタクロースの昇天」と「勇者のメロディ」がメインのお話だがどちらも泣かされる大人のファンタジー。2020/04/23
はる
116
優しく切ないファンタジー。今回はすべて猫が出てくるお話しばかりで、猫好きには堪らない。村山さんの猫愛に溢れた物語です。お気に入りは「サンタクロースの昇天」。おじいちゃん!ハラハラしたよ~。このシリーズは巻を重ねるごとにどんどん優しくなるなあ。優しい優しい、夢の中にいるような心地良さ。2019/04/29
とし
109
コンビニたそがれ堂「猫たちの星座」8巻。猫が絡んで人生の終焉を迎える人達が、風早の人達の幸せのバトンを渡す心温まる物語でした。 2019/07/01