出版社内容情報
国内外で高く評価されたドキュメンタリー映画『エンディングノート』の監督が描く、父を見送る娘の物語。29歳の藤田しぐさは、番組製作会社に勤めている。ある日、定年後の人生を楽しんでいる父親が、突然末期ガンだと医師から告げられる。まったく想像もしていなかった父との別れが目前に迫るという現実に戸惑いながらも、しぐさは家族という形に改めて向き合う……。ガンの発覚から最期に至るまでの父と家族の姿を記録し、国内外で高く評価されたドキュメンタリー映画『エンディングノート』の監督が描く、父を見送る娘の物語。
砂田 麻美[スナダマミ]
著・文・その他
内容説明
藤田しぐさは、突然末期ガンと告げられた父の現実に戸惑いながら、家族という形に改めて向き合う…。ガンの発覚から最期に至るまでの父と家族の姿を記録し、国内外で高く評価されたドキュメンタリー映画『エンディングノート』の監督が描く、父を見送る娘の物語。
著者等紹介
砂田麻美[スナダマミ]
1978年、東京生まれ。映画監督。初監督作品の『エンディングノート』で日本映画監督協会新人賞等、数々の賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なゆ
72
音のない花火、というのは実感のなさを表しているのかも。思えば我が家もそんな感じだったかもと、身につまされる読書となった。父親が癌になるということ。転移が見られステージ4、セカンドオピニオン、抗がん剤治療。藤田しぐさは、休職して両親を見守る。淡々としながらも、本人も家族も戸惑うし混乱もしているその様子がリアル。弱っていくことから目をそらすのも、なぜだか優しい言葉なんてかけづらいのも。洗礼を受けたい、という父親の心境はいかばかりか。私もあの時休職したが、父を見送るまではどこかフワフワした実感のない日々だった。2021/11/17
pohcho
31
末期がんを宣告された父。とまどいながらも寄り添おうとする娘。高層ビルの中から眺める音のない花火は、とても映像的なシーンだった。そして、キリスト教の洗礼を受けた時や、おひさまのような笑顔など、気難しい印象だった人が死を前にして、あどけない幼子のようになって。楽しかったねと、家族皆で言い合う場面がとても印象的だった。 2018/07/14
おれんじぺこ♪(16年生)
18
う~ん、特に号泣とか、感動とか、そういうのはなかったかも。2019/06/01
紅茶タイム
11
末期癌の父親に寄り添う娘の話。不安やどうしたらいいかわからない心情もよく伝わってきました。臨終の場面は家族に見守られ素敵だなと思いました。でも少しありきたりなかんじがしたかな。タイトルの花火のシーンがわりとあっさりで残念。2020/03/29
k&j
7
映画監督としては「エンディングノート」というドキュメンタリー作品を前に見ていたけど、小説を読むのは初めて。この作品はその映画と同じくガンで亡くなる父というテーマで、主人公や家族の設定などを考えてもほぼ私小説のようなものかと思う。映画は割と淡々として監督本人の感情はあまり見えなかった印象があったけど、こちらでは父を失くすことに対しての心情がはっきり描かれている。自分はまだ両親とも健在だけど、肉親を失くすことへの違和感ってこんな感じかな。平易な文章で読みやすく、けどハッとさせられるものもあって、結構おすすめ。2018/08/05