出版社内容情報
亡くなったひとたちと、いまを生きているものとの交信、それが、盆野球。東日本大震災によって被災地域の人々が失ったものは、
人のいのち、住まい、仕事、日々の暮らしだけではありません。
「地域のつながり」もまた、そうでした。
震災後の仮設住宅暮らしは地域を分断し、復興の遅れは、多くの人の離村を招きました。中には、戻りたくても戻れずに亡くなる人もいました。
それでも、とぎれかけた人と人・集落のつながりを取り戻そうという動きが出あります。
そのひとつが「盆野球」です。震災前までずっと続いていた、お盆のイベント、岩手県釜石市鵜住居地区の「盆野球」。鵜住居地区は、津波で、ほとんどの住宅が流されてしまった地区です。
この地区の盆野球の復活を描いたのが、この絵本です。
お盆は、亡くなられた方がたを迎えるとき。
復活した盆野球は、震災で亡くなったひとたちと、いまを生きているものとの交信の場でもあるのです。それぞれのひとが、大切な人と一緒に白球を追う。それが、盆野球なのです。
指田 和[サシダカズ]
著・文・その他
長谷川 義史[ハセガワヨシフミ]
イラスト
内容説明
1年に一度、夏のお盆にやる野球。津波の前の年まで毎年必ずやっていた。あの日、地震のあと、海がなんもかんものみこんでから、盆野球のことなんて、だれも思い出す間もなかった。それから7年―盆野球の優勝旗がみつかった。流されてしまったと思っていたのに。「これはもう、盆野球するしかねえべ!」亡くなった人たちもきっと、野球を楽しみにかえってくる。
著者等紹介
指田和[サシダカズ]
埼玉県生まれ。出版社で子どもの雑誌、家庭雑誌などの編集を経た後、フリーとなる。いのちや自然に関するテーマにひかれ、取材し作品にしている。日本児童文学者協会会員
長谷川義史[ハセガワヨシフミ]
『おたまさんのおかいさん』(解放出版社)で講談社出版文化賞絵本賞受賞。『かあちゃんかいじゅう』(ひかりのくに)でけんぶち絵本の里大賞受賞。『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)で日本絵本賞・小学館児童出版文化賞受賞。『いいからいいから3』(絵本館)でけんぶち絵本の里大賞受賞。絵本ライブなど全国各地で開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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退院した雨巫女。