天の花―なでし子物語

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天の花―なでし子物語

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591156667
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



伊吹 有喜[イブキユキ]
著・文・その他

内容説明

遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は寂しい境遇にあっても、周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘をあとにした。バスの中、4年前のあの夏を思い出す。久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々―。

著者等紹介

伊吹有喜[イブキユキ]
三重県出身。出版社勤務を経て、フリーのライターに。2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

327
『「どうして」ではなく「どうしたら」と考える』。この言葉が、前に進むことを躊躇していた燿子の人生を少しずつ変え、今の燿子を支える大切な言葉となっていることが示される作品冒頭。そんな言葉を糧に『どんなことでも筋道を立てて考えれば答えは見つかる。そう信じてこれまでやってきた』とあれからを生きてきた燿子。ゆったりと描かれていた作品世界が大きく動き出す作品後半。そしてこれこそが続編「地の星」へと繋がっていく、次の物語の舞台となっていく物語。独特の作品世界の素晴らしさにすっかり魅了された、そんな作品でした。 2021/07/12

いつでも母さん

213
なでし子物語はかなり前に読んだのだが(汗)で、『地の星』よりも先にこちらを読んだ。説明がし難いが私は龍治派だ(笑)家は代々受け継がれていくもの・・だったのだなぁ。自分の意思に関わらず、生まれた時から、護る側とそうではない側の立場がはっきりしている分、どうしても耀子に思いを寄せてしまう。だが女も子を護る為なら強くもなる。(なのに耀子の母は・・)瀬里を産み母となった耀子。立海だけが哀しいほどの純粋な幼心のまま成長するのだろうか?ああ、もやもやする。2018/02/27

fwhd8325

187
この作品で、パズルのピースが埋まりました。「地の星」での妙な違和感が、しっかり描かれています。埋まったことはそれでいいのですが、心の置き場所に困っている自分自身もいます。このシリーズは、完結したときに、もう一度時系列に沿って読み直した方がいいかもしれません。2018/07/15

みっちゃん

183
第1作を読了後、2作目は図書館で貸出中、読友さんに「3番目の方が時系列は先だよ」と教えて頂き読む。スムーズに続編を読んでいる感覚、読友さん達に感謝。でもこの結末には胸中複雑なものが。確かに耀子を窮地から救うには立海はあまりにも幼く、天真爛漫、世間知らずだった。そして龍治のその弱さも強引さも含めて人を惹き付ける魅力、私も魅せられるものを感じてはいたけど。「何もかも承知で好きなんだ」将来に禍根を残す事はないのか。ラストの「こわくないよ」もう2度と彼女に辛い思いはさせたくない。祈るような気持ちで第2作に戻る。2021/03/14

nico🐬波待ち中

176
シリーズ第3弾。第2弾でふつふつと沸きあがる数々の疑問の答え合わせのように読み進めた。前回度々出てきた「耀子中学2年生夏の出来事」。そんなことがあったのか…としみじみ思う。思春期の女子にとって大人の男性は憧れの対象。龍治の包容力にときめくのも仕方がない。それに比べて立海の子供っぽさ…勝負にならない。早く大人になりたい、と口癖のように言っていた立海。大人になんてならなきゃ良かったね…。あの夏の約束、耀子はもちろん忘れた訳ではないのだけれどね…。次回第4弾でも耀子と立海の微妙な関係にますます目が離せない。2018/03/25

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