出版社内容情報
「風の陰陽師」の三田村信行が描く、感動の「山椒太夫」異譚!命をかけて弟を守った安寿の物語。
内容説明
母親と生き別れ、強欲な山椒太夫のもとで過酷な労働を課される安寿と厨子王の姉弟。命を懸けて弟を守る強くやさしい姫の感動の物語。
著者等紹介
三田村信行[ミタムラノブユキ]
1939年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。2009年「風の陰陽師」シリーズで巌谷小波文芸賞、日本児童文学者協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みよちゃん
9
昔読んだのは絵本のような優しいもの。今回のは、山椒大夫を基にしたとの事。安寿が弟を逃すため入水するけど、これではずっと厨子王を助ける為、姿をあらわすなど、新たなストーリーに、割と納得できた。2017/12/25
頼ちゃん
8
読み応えがあった。2018/08/05
ときわ
8
子供向きの「安寿と厨子王」は何パターンか読んだことはある。おおよその展開は同じだったが、しっかりと肉付けされていて読みごたえがあった。題名通り安寿姫のことが掘り下げられているので、行動に納得できた。でもこの時代に生きている岩木正氏が、陰陽師や祈禱師をこうまで忌避する理由が分からない。悲劇の原因がそこにあるのだから、過去に何かがあって頑なにそうなってしまったとかの背景が欲しかった。安寿姫の事は書いてあるのだからほんとに残念だ。でもそれ以外は大変面白かった。2018/03/09
ゆうら
6
安寿姫視点で物語を描く。彼女の小さい頃の孤独と、それを救った重要な出会い。そして旅の途中で人買いに売られ山椒大夫の元へ。そして弟を逃し、その後の展開へ。芯が強く他者を思いやる心を持つ彼女の姿が良い。報われて欲しいと思ってしまった。しかしすべての原因の父親はいかがなものかと。2019/12/24
綾乃
5
おそらく小学生の頃に読んだ安寿と厨子王。当時も山椒太夫の仕打ちと弟を逃がした後の安寿の選択で子供心にも印象が強く残った覚えがあります。こちらの作品ではより安寿がいきいきと人格をもって見えてき多分、やはり結末は悲しいですね。後半、ガッツリ復讐していくパートでは、安寿の正体になんとなく気づいてしまい、切なさ倍増でした。2020/07/23