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エンディングドレス

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591155103
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

32歳の若さで夫に先立たれた麻緒は、自らも死ぬ準備をするために「死に装束を縫う洋裁教室」に通い始める。感涙の傑作長編小説32歳の若さで夫に先立たれてしまった麻緒(あさお)は、自らも死ぬ準備をするうち、
刺繍洋品店で小さなポスターを見つける。

 ◆終末の洋裁教室◆
講師 小針ゆふ子  毎週日曜午後一時から
 春ははじまりの季節。
 さあ、死に支度をはじめましょう。
 あなただけの死に装束を、手づくりで。

死に装束=エンディングドレスを縫う教室。
人生最後に着る服を自分でつくるということに、興味が湧いた。
教室へ足を運んだ麻緒が出会ったのは、ミステリアスな先生と、3人の陽気なおばあさん。
聞けば、エンディングドレスを縫う前に、いくつかの課題があるという。

はたちの時にいちばん気に入っていた服
十五歳の時に憧れていた服
自分以外のだれかのための服
自己紹介代わりの一着……

先生やおばあさんトリオの助けを借りながら、麻緒は洋服づくりに無心で取り組んでいく。
夫の弦一郎に、命にかかわる持病があることはずっと知っていた。
それでも二人は、一緒にいることを選んだ。
洋服の思い出が、忘れていた想いや出来事を次々に引き出して――。

あつい涙があふれる! 再生のその先を描く、希望に満ちた傑作長編

*

今はもう手元にはない、昔大好きでよく着ていた服を思い出した。
その手触りや着心地は、恐がりな自分をどんなに励ましてくれただろう。
人は生まれることも死ぬことも自分では選べないけれど、
何を纏って生きるかは選択することができる。
――山本文緒(作家)

*

連載時から、熱い感想が続々!

主人公が自殺を考えているとは思えない、
暗くないどころか、不思議な心地よさのある冒頭から一気に引き込まれた。
――30代女性

何度読んでも泣いてしまうシーンがあります。
悲しい涙ではなく、あまりの優しさに胸がいっぱいになって泣けてきてしまう。
――40代女性

おばあさんトリオや先生の過去のエピソードも印象的。
洋服をつくることや纏うことと、生きるということは似ている気がした。
――30代男性

*

蛭田亜紗子(ひるた・あさこ)
1979年北海道札幌市生まれ、在住。2008年第7回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞を受賞。10年、『自縄自縛の私』を刊行しデビュー。
著書に『人肌ショコラリキュール』『愛を振り込む』『フィッターXの異常な愛情』『凛』などがある。

蛭田 亜紗子[ヒルタアサコ]
著・文・その他

内容説明

夫に先立たれた32歳の麻緒は、自らも死ぬ準備をするために“死に装束を縫う洋裁教室”に通い始める。あつい涙があふれる会心作。

著者等紹介

蛭田亜紗子[ヒルタアサコ]
1979年北海道札幌市生まれ。2008年第7回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。10年、『自縄自縛の私』を刊行しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

207
北海道出身&在住の蛭田さん作品です。夫に先立たれてしまった32歳の「麻緒」は自分も夫のあとを追いかけるように死ぬ準備を進めていきます。そんな中でふと目についた裁縫教室に通い始めますが、そこはまさしく'死装束'を作るための場です。そこで出会ったミステリアスな先生をはじめとし、一緒に裁縫を習う三人の陽気なおばあちゃんと時間を過ごすうちに「麻緒」にも少しずつ'変化'が表れます。タイトルにあるように中盤まではまさしく'エンディング'に向けて、少しトーンが暗めですが、ラストは希望あり、涙ありのステキな作品でした。2018/12/30

風眠

193
【はたちのときにいちばん気に入っていた服はなんですか?】スカートがふわっとした紺色のシャツワンピース。小物でいろいろ工夫して着てたな。お金無かったし。【十五歳のころに憧れていた服を思い出してみましょう】白シャツとデニムパンツ。思春期太りで脚が太いのがコンプレックスだったので、シュッとした大人の女性がおしゃれに着崩してるのに憧れてた。【自分以外の誰かのための服を作ってみましょう】二人でごろごろ過ごす日のパジャマかな。これまで着た服を思い出し、これから着たい服に想いをはせて、今の私自身を重ねながら本を閉じた。2018/10/03

❁かな❁

181
【終末の洋裁教室】死に装束(エンディングドレス)を手づくりする教室。32歳で夫に先立たれた麻緒は自ら命を絶つ決意をし準備をしていく。R18出身の蛭田さんの作品を読むのは3作目。今作もとても良かった。いきなり死に装束をつくるのではなく課題があり色んな事を振り返りながら自分と向き合う。先生やおばあさん達との交流がいい。各エピソードも良く特に第五章で涙が溢れた。「言えばよかった。なんで言葉を出し惜しみしたんだろう」ばらばらになったパーツを縫い合わせるように立ち直っていく姿に感動。文章も好き。温かい再生の物語。2018/09/07

はる

145
読友さんの御感想から。夫を亡くした女性が主人公。人生に絶望し一度は自殺を決意するが、偶然出逢った洋裁教室に通ううちに少しずつ癒されていく…。静かな文章の奥から主人公の哀しみが溢れ出してきて胸がしめつけられる。過剰な演出を排し、静謐で丁寧に紡ぐ世界。ひとの優しさが悲しみ苦しむ主人公の心を癒していく。ラストの主人公の凛とした姿が静かに胸を打つ。2018/10/14

モルク

127
夫を病気で亡くした32歳の麻緒。生きる気力をなくし夫の元に旅立つため身辺整理をしていた。手芸店に貼ってあった手書きのポスターで死に装束を手作りする洋裁教室を知り行ってみると…。3人のおばあちゃんそして先生もそれぞれいろんな人生があった。先生から提示される課題の服に取り組んでいくうち、それがいつしか生きるための服になってきて麻緒に少しずつ変化があらわれる。子供を産めなかった麻緒、義妹が生んだ新しい命。夫の実家、教室の面々、みんないい人、麻緒をやさしく見守る。あたたかい気持ちになった。2022/06/16

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