出版社内容情報
佐渡の海を舞台に、遠泳の大会にチャレンジする中で、心身ともに成長していく少年達の姿を爽やかに描くスポーツ青春小説。
内容説明
あの海を泳ぎたくなったわけが、少しだけわかった気がした。ぼくも…きっと種をまきたかったんだ。そして、ちょっとのことでふらふらしない、ぼくだけの根っこを育てたいって思ったのかもしれない。佐渡の青い海で一キロの遠泳にいどんだ夏。まぶしい絆が、少年たちの心をつよくする―さわやかな成長物語。
著者等紹介
高田由紀子[タカダユキコ]
新潟県佐渡市出身。自身が生まれ育ったお寺を舞台に少年の心の成長を朗らかに描いた『まんぷく寺でまってます』(ポプラ社)でデビュー。「季節風」同人。日本児童文学者協会会員
ふすい[フスイ]
イラストレーター。大人向けの小説を中心に装画・挿絵を数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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びす男
68
泳ぎたくなる。陽を照り返す夏の海のように、キラキラした小説だ。都会育ちの主人公・颯太が、佐渡で苦手な水泳を克服し、遠泳に挑戦する。颯太の周囲にいる人たちもそれぞれ切ない思いを抱えるが、遠泳をきっかけとした触れ合いを通じて、少しずつ心を開いていく…。チャレンジすることの大切さに気づくことが、人生のスタートラインなんだ。たまたま颯太たちのスタートラインが青い海だったように、人はいつだって、様々な色のラインを踏める。大人も夢中になれる本。小学生の頃に遠泳をした記憶がよみがえり、本当にプールに行ってしまった。2017/07/24
アズマ
17
明るい話でした。 佐渡の遠泳に挑戦することになった颯太。出てくる人たちがみんな優しい人たちでした。絵がキレイで好きです。2018/08/22
クサナギ
15
素敵で爽やかな青春物語。颯太もあおいも、夏生くんも、そしてお母さんも、ここがスタートライン。あー、思いっきり泳ぎたい!2017/08/15
雪丸 風人
13
お母さんの長期入院が決まった夏、佐渡で暮らすことになった僕は、気づけばとんでもない約束をしていた。勢いでオープンウォータースイミングの大会に申し込んでしまったのだ。25mしか泳げないのに遠泳に挑戦?しかも1㎞!助っ人はいるけど、あと2週間でホントにどうにかなるんだろうか・・。小5男子の主人公が祖母の家で過ごすひと夏の物語です。無理をさせない考えの母のもとを離れ、挑戦することの素晴らしさに目覚めるところがいいですね。彼が欲しかったのは達成感、それと自分を信じる力でした。 (対象年齢は10歳半以上かな?)2019/10/12
izw
13
5年生の颯太のお母さんに赤ちゃんができ入院することになり、夏休みは毎年行っている佐渡のおばあちゃんのところで過ごすことになった。従姉のあおいが昨年参加した1キロの遠泳大会オープンウォータースイミング in 佐渡のビデオをみて、参加しようと思い立つ。といっても、プールで25mをやっと泳げる颯太なので、大会までの数週間のコーチを高校をやめた夏生に頼む。颯太、夏生、あおい、それぞれが夏の一ヶ月の経験を通して成長する物語。きれいな佐渡の海が印象に残る。2018/02/25