出版社内容情報
ケイト・ディカミロ[ケイトディカミロ]
バグラム・イバトーリーン[バグラムイバトーリーン]
子安 亜弥[コヤスアヤ]
内容説明
持ち主の女の子とはぐれた、陶器のうさぎエドワード。さまざまな人に出会い、別れる、奇跡の旅に出ます。だれも愛していなかったエドワードにとって、愛を知ることは、失うつらさを知ることでもありました。ふたたび心をとざそうとするエドワードに、もう一度愛はおとずれるのでしょうか―。
著者等紹介
ディカミロ,ケイト[ディカミロ,ケイト] [DiCamillo,Kate]
アメリカのペンシルベニア州生まれ、ミネソタ州在住。フロリダ大学卒業。児童向け、大人向けの作品を書いている。『ねずみの騎士デスペローの物語』(ポプラ社)が2004年に、Flora & Ulysses:The Illuminated Adventuresが2014年に、それぞれニューベリー賞を受賞
イバトーリーン,バグラム[イバトーリーン,バグラム] [Ibatoulline,Bagram]
ロシア生まれ、アメリカのペンシルベニア州在住。州立モスクワ芸術学院卒業。多くの絵本や装画、挿絵を手がけている
子安亜弥[コヤスアヤ]
名古屋市生まれ。南山大学外国語学部英米学科卒業。アメリカ新人翻訳家コンテストで最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
108
愛されて育てば他者を愛することができると、訳知り顔で人が言う。本当にそうか。傲岸不遜な陶器人形のうさぎ、エドワードが旅する苦難の人生。その先々で出逢う人々。愛を知ったとほっとした次に、何度も空っぽになるエドワード。愛は与えられて生まれるものではない。粉々に砕けた心に、もう会えない人の名をくりかえし口にするときの空の青、夜空の星。愛する人に二度と手が届かない絶望。そこから知る本物の愛がある。大人の私が震えて読み終わる。子ども達に読ませたいとは思わない。この深さを理解する子は辛い思いで生きているはずだから。2019/03/17
鷺@みんさー
36
こんなの、泣くに決まってるじゃないか。タイトルと表紙ですぐわかったよ。お涙頂戴ものの、大人向けの童話だってさ。でもお話も、絵も素晴らしいんだもの。しょうがないじゃないか。子どもたちだけじゃなくてさ、年寄りの絵がまた、素晴らしくいいんだよ。一目見ただけでわかるのさ。素朴だけどあたたかいやつだな、ってね。それに犬もさ。いい犬だって、見た瞬間にわかる。ああ、安心していい。このお話で、犬は死なない。ハーモニカの少年が、とびきり愛しくて切ないよ。彼もきっとまた会えると思うんだ。だって奇跡は起こるって、知ってるからね2023/10/09
そら
27
児童書。泣いちゃった(T_T)。出会いと別れの繰り返し。どんな人生もままならなくて、辛くても一生懸命生きるから、「愛をみつける」よりも「生きる哀しみ」みたいなものが伝わってきちゃった。大人向け。2023/10/28
まっきー☆
12
図書館本。行きつけの図書館にポケット版なるものがあり、それを借りる。陶器で出来ているうさぎのエドワード。自惚れ屋でプライドの高い彼は、愛する、ということを馬鹿にし、疎かにする。ある晩、おばあさんから聞いた話がずっと頭に残り、愛を知らないとどうなるか、ということに怯える。そして突然訪れる不慮の別れと苦難の道。行く先々で出会った人達から与えらた愛情に、少しずつエドワードの心も変わっていく。途中から涙が止まらず、最後まで溢れる涙を止められなかった。100年生き続ける人形の「心を開くのよ」の言葉が胸に刺さった。2020/06/21
mizuha
12
プレゼントを探していて出会った本。陶器でできたウサギのエドワードが、長い長い旅をする物語。悲しい別れが続いてとても辛いけれど、その分、ラストではホッと一息ついた。プレゼントするには、悲しすぎるお話かと思いながら読んでいたが、これなら大丈夫。10歳の女の子はどう感じるだろうか。聞かせてくれる感想を、楽しみにしていよう。2016/11/03