16歳の語り部

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16歳の語り部

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591148228
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0095

出版社内容情報

16歳の今しか、語れない言葉がある。

目の前で流された人たちは、
僕が手を伸ばせば助かったんじゃないか。
――雁部那由多

今考えるとすごく不謹慎なのですが、
そのときの私は、内心ワクワクしてたんです。
――津田穂乃果

なんで私なんかが生きていて、あいつが死んだんだろう。
私なんか生きてる価値ない。
――相澤朱音

2016年3月11日、「東日本大震災」から5年。
津波で甚大な被害を受けた宮城県東松島市に、ある3人の高校生がいる。
彼らは、あの日を「ただのつらかった過去」にせず、
「学び」に変えるために立ち上がった若き震災の語り部だ。
彼らはこの5年間、何を思い、何に迷い、歩んできたのか。
なぜ、わざわざあのつらかった日のことを語り出さなければならなかったのか。
そこには、あの震災で生き残った、彼らなりの使命感と葛藤が存在する。

本書は、あの日、
まだ小学5年生だった子どもたちが歩んできた、
3.11の貴重な記録である。

内容説明

16歳の今しか、伝えられない言葉がある。東日本大震災から5年。あの日、小学5年生だった子どもたちが見据える3.11後の未来。

目次

第1部 3人の語り部(雁部那由多―宮城県石巻高校1年生;津田穂乃果―宮城県石巻高校1年生;相澤朱音―宮城県石巻西高校1年生)
第2部 語りを受けて(山城未裕―東京都立南平高校2年生;佐藤敏郎―元・宮城県中学校教師)

著者等紹介

雁部那由多[ガンベナユタ]
2011年3月11日、東日本大震災発生当時、宮城県の東松島市立大曲小学校の小学5年生だった。2016年1月現在、宮城県石巻高校に通う高校1年生。地元に限らず、県外の人に向けて、震災の体験と教訓を伝える「語り部」の活動をしている

津田穂乃果[ツダホノカ]
2011年3月11日、東日本大震災発生当時、宮城県の東松島市立大曲小学校の小学5年生だった。2016年1月現在、宮城県石巻高校に通う高校1年生。地元に限らず、県外の人に向けて、震災の体験と教訓を伝える「語り部」の活動をしている

相澤朱音[アイザワアカネ]
2011年3月11日、東日本大震災発生当時、宮城県の東松島市立大曲小学校の小学5年生だった。2016年1月現在、宮城県石巻西高校に通う高校1年生。地元に限らず、県外の人に向けて、震災の体験と教訓を伝える「語り部」の活動をしている

佐藤敏郎[サトウトシロウ]
1963年生まれ。宮城県石巻市(旧河北町)出身。87年より中学校教諭(国語)として宮城県内の中学校に勤める。震災当時は女川第一中学校(現・女川中学校)に勤務。震災後5月には生徒たちそれぞれの想いを五七五に込める俳句づくりの授業を行い、テレビ、新聞、書籍等で紹介される。震災後は女川中学校、矢本第二中学校で防災を担当。宮城県の防災教育副読本の編集委員も務めた。現在は遺族らと「小さな命の意味を考える会」を立ち上げ、全国の防災イベントで講演等を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃちゃ

87
小学5年生で3.11を経験した子どもたち。震災から5年、高校生になった3人が、自分の言葉で真摯に語る。彼らは当時、自分の苦しさを大人には相談できなかったと言う。深い哀しみを抱えつつ再建に奔走する家族。様々な配慮から震災のことに口を閉ざす教師。周囲の大人への気遣いから、心に渦巻く思いに蓋をして言葉にできなかった子どもたちに心が痛む。けれど、あの頃のことを今率直に語ることで、自分が救われ他者を救うことができると彼らは感じている。辛い体験を未来の生き方に繋げていこうとする、子どもの逞しさは希望そのものだ。2018/03/12

アルピニア

57
11年目の3・11に。小5の時に被災し、その後体験を語る活動を始めた3人の高校生(発刊2016年時)。3・11直後の学校の状態、子供たちがどのような気持ちで過ごしていたのかを知り、胸が圧し潰されるようだった。「震災のことを口にしないように」して過ごした日々。何も話さない、話せない大人たち。その気持ちもすべて分かっているから何も言えなかった子供たち。それぞれ受け止め方も受け入れるために必要な時間も違う。見守り、寄り添うことの大事さ、難しさを痛感する。語りが同世代の心に響き、受け継がれていることに光が見えた。2022/03/09

ポチ

42
子供達の見た3・11とその後。高校生になった彼・彼女らが、その時の辛さ・悲しさ・言いようの無い絶望感等と正面から向き合い、今後の未来の為になるならと語った記録。16歳の高校生の言葉だからと軽く考えないで、大人達は真摯に向き合う必要があると思う。女川の中学生が詠んだ句"ただいまと 聞きたい声が 聞こえない"心に残りました。2016/05/20

かいゆう

32
2011年3月11日東日本大震災。当時5年生だった3人の子どもたちが、あの時とあれからを語っている。ニュースには映らない、彼らの目にしたもの、彼らの思い。被災地の中でさえも、その置かれている状況により、感じ方、思う事が違う。震災の事を忘れたい人、触れたくない人もいるだろうが、彼らは語る事を選んだ。記憶は薄れていくもの。被害にあっていない所も“未災地”。心の準備も含めた備えを。明日も「ただいま」と言えるよう、「一日一日を大切に生きていくこと」。この本を読み終えた今の気持ちを覚えておきたいと思う。2016/10/07

きいち

30
起こったことを理解でき、そしてそれを言葉にすることができる「最後の世代」と自認する震災時に小五だった3人の語り部たち。受け止め方はそれぞれ、折り合いのつけ方も、お互いの関係性の変化も言葉にするということは、震災抜きにして大変なことのはず、その姿に思わず姿勢が正される。◇3人に新しい場を紹介した案内人の佐藤、イベントで語った高校長、のちになって対話をした小五時代の担任、先生方の真摯さに心から希望を抱くことができる。ほんとうにすばらしい。◇そしてここでのキーマンの彼が、金菱ゼミに!いい出会い重ねてるなあ…。2020/06/28

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