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海を撃つ

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591148020
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

昭和七年、冬。北陸の漁村に育った二十歳の十兵衛は、村を代表し室生山に祀られた龍神を参拝する。無事の帰還は村に大漁をもたらした。しかし初恋の君・繁子との再会を機に、若さゆえの過ちを犯し村を追われてしまう。落命しかけた十兵衛を救ったのは片目の漁師。老練な突き屋を師と仰ぎ、青年は三陸の海で銛撃ち修行を始める。狙う獲物は、“メカ”ただそれのみ―。

著者等紹介

吉村龍一[ヨシムラリュウイチ]
1967年山形県生まれ。近畿大学豊岡短期大学卒業。2011年『焔火』で小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。元自衛官の肉体派作家として注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

103
メカは絶命の瞬間鮮やかに体を燃え上がらせる。魂が抜け切る一時の、痛ましい蒼肌はどこまでも激しく、そして哀しかった。吉村氏は、メカジキ漁の最後をそう描く。これこそ荒々しき魂を鷲掴みにされる作品だった。久しぶりにこういう類いの作品を読む。そして師弟愛で繋がれた師匠を奪ったメカを仕留める為だけに生きる。圧巻の漢の、漁師の、生き様だった。また、吉村氏の作品を読みたい。さて、僕の今年上半期の読了本でベスト何位に入るか。2016/04/18

ゆみねこ

65
吉村龍一さん、初読み。三陸の海で巨大なメカジキと戦う漁師の物語。片目の師匠伝照と、北陸の海で育った十兵衛。読み友さんのお勧め通り素晴らしい男の生き方を綴った1冊でした。まずは読んでみてください、お勧めです。2016/05/16

keith

34
時代は昭和初期。村の掟を破ったことで村を追われた海の男十兵衛。隻眼の老漁師伝照を師と仰ぎ、ただひたすら銛を突く。そこに師の片目を奪った悪魔のようなメカジキが現れる。海の掟と神の采配。そして宿敵との邂逅。ページ数が少ないこともあってあっという間に読み終えてしまいました。村を追われる原因となった繁子とのその後の関係とかもう少しあってもよかったかな。2016/03/12

hrmt

33
図書館本。吉村作品は『焔火』に続き2作目。海の男.十兵衛の一生に、潮焼けした無愛想な老漁師の姿が浮かんできます。昭和初期、禁を破って北陸の故郷を追われた漁師は三陸でメカジキを獲る銛撃ちとして生き直し始める。師匠と仰ぐ伝照を海に奪った巨大メカジキとの邂逅だけを願い生きた四十数年。老いていく身体と変わっていく時代。諦めて銛を置くことを目前にして、仇とも最早友もいえるメカジキとの死闘に、どちらともに倒れてほしくないような思いがしました。潮と汗の匂いにまみれた泥臭くて骨太な漢の物語を堪能させて頂きました(^^)2016/07/03

さんつきくん

18
北陸生まれの十兵衛は村を追われて、三陸の村に移住。そこで師匠の伝照と出会いメカジキを獲る漁師に。昭和一桁代と昭和56年の二段階構成。師匠の命を奪った伝説のメカジキを一途に追い続ける十兵衛の姿に高揚するものを感じた。最後に邂逅したメカジキに息をのむものを感じた。方言も含め三陸の漁師のあらあらさを克明に描いている。「三陸」や「北陸」など地理的描写や歴史的背景の描写をもっと細かく書いていただければもっと、のめり込めたかなと思う。吉村龍一は熊谷達也になれるのか!2017/09/22

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