出版社内容情報
誰よりも強くなるために、少年たちは大切な人間の首を欲した。人と妖の交流と絆を切なくも温かく描き出す珠玉の明治人情妖怪譚。
内容説明
「三毛の龍」と巷で評判の化け猫の龍は、さらに強い妖怪・猫股になるため、猫股の長者の許を訪れる。そこで出された条件は、「情を通い合わせた人間の首を取ってくること」だった。気が進まぬまま飼い主を探しはじめた龍は、幼馴染に裏切られてすべてを失った男・逸馬に狙いを定めるが―。小春の過去を描く待望の番外編ほか、人と妖の交流と絆を切なくも温かく描き出す珠玉の明治人情妖怪譚。
著者等紹介
小松エメル[コマツエメル]
1984年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。2008年、あさのあつこ、後藤竜二両選考委員の高評価を得て、ジャイブ小説大賞初の「大賞」を受賞した『一鬼夜行』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆかーん
57
『エピソード0』。吉蔵に出会う前の逸馬との物語。猫たちにとって、猫股になる事は憧れでもあり自慢でもあること。三兄弟の次男坊である小春も、猫股になるため奮闘します。しかし、その方法が残酷すぎ…。可愛がってもらっていた主の首を切り、それを許と共に食らうという現実。主の首を切るなんで簡単だと言っていた三兄弟でしたが、人間に情を寄せてしまい殺せなくなる姿が切ないです…。小春も人間を殺せずに苦しみますが、逸馬の優しい言葉によって救われたのでホッとしました。この話が、後々の吉蔵と小春は出会いに繋がってゆくようです。2016/05/10
はにこ
33
小春三兄弟の話。猫又になるために心を通わせた飼い主の首が必要に。それぞれが悲しい経緯の飼い主で心が痛かった。うちの猫達もこんな風に私を大切に思っていてくれたら良いんだけどな。最後のかわその話、良かったなぁ。獣達の心の優しさにホロッとした。2021/10/12
み
30
さくさくと♪猫又になるのは大変だ。シリーズ第二部は小春の兄弟の出番が多いのか?あたしは、小春と喜蔵さん中心のままがいいなぁ(^.^)2015/10/02
nana
29
図書館:シリーズ物なのですね(^◇^;)本編を読んでないので、繋がりは分かりませんが、単独の物語として読めました。猫股ってそういうものなのか、切ないお話。2017/07/06
うさっち
21
小春の過去を描く番外編。猫股を目指す小春とその兄弟達に与えられた試練が残酷で切ない。2016/03/08